(ブルームバーグ): 電気自動車(EV)メーカー、米テスラは待望のピックアップトラック「サイバートラック」を11月30日に投入する方向だが、その黒字化には長い時間がかかる可能性がある。

サイバートラックは予定より約2年遅れており、来月末にようやく納車が始まるとテスラが発表した後、株価は通常取引後の時間外取引でいったん上昇した。

その後、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はアナリストとの会見で、サイバートラックが「キャッシュフローに大きく貢献する」ようになるには少なくとも1年半かかると警告した。年25万台の出荷が可能になりそうだが、恐らくそれは2025年まで実現しないだろうと指摘。「希代の特別な製品は、市場投入や量産、黒字化が信じがたいほど難しい」と述べた。

テスラの株価はニューヨーク時間午後6時15分(日本時間19日午前7時15分)時点で3.1%安。

サイバートラックに関するニュースを受け、それより前に公表された7-9月(第3四半期)決算で利益と売上高がアナリスト予想を下回ったことはかすんだ。

18日の株主宛て書簡によると、一部項目を除いた1株利益は66セントに減少。アナリスト予想の74セントに届かなかった。売上高は234億ドル(約3兆5100億円)に達した。市場予想は240億6000万ドル。

投資家が重視する、規制クレジットを除いた自動車の粗利益率は16.3%。アナリスト予想は17.7%だった。

同社は今年、何回も値下げし、マスク氏は販売台数確保のためには業界トップクラスの利益率を犠牲することもいとわないと指摘している。最も価格の高い車種「モデルX」の値下げ率は30%を超え、高インフレと高金利に苦しむ顧客が買いやすい値段に設定された。

決算発表に先立ち同社は、工場のダウンタイム(稼働停止時間)が生産に響き、7-9月期の世界出荷台数は43万5059台と、四半期として約1年ぶりに減少したと発表していた。最近はセダン「モデル3」の新型車種を中国と欧州で発売した。

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原題:Tesla Tempers Expectations on Cybertruck’s Nov. 30 Debut (3)(抜粋)

(マスク氏のコメントなどを追加して更新します)

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