[10日 ロイター] - 米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は10日、連邦準備理事会(FRB)は「これ以上利上げする必要はない」という見解を示した。また、これまでの利上げで米経済が減速しインフレ率が鈍化しても、リセッション(景気後退)に陥ることはないとみているとした。

米国銀行協会(ABA)で、高すぎるインフレ率をFRBの目標である2%に回帰させる政策について、「われわれは適切な場所にいる」と指摘。政策は十分に制約的であり、これまでのFRBによる利上げの「多くの」影響はこれから明らかになるとした。

同時に、経済にはかなりの勢いがあり、政策引き締めの影響の一部を「吸収」できる見通しで、景気後退に陥ることなく経済を減速させることが可能という認識を示した。

また、イスラエルとパレスチナの武装組織であるハマスの衝突は米国および世界経済に不確実性をもたらしており、市場動向や投資について再考を促すことになると指摘した。

ただ、過去数年間もコロナ禍やロシアのウクライナ侵攻など、予期せぬ事象が重なり、必要に応じ「用意を整え、行動に移す」ことを学んだと述べた。

入手されるデータが自身の予想に反する内容となれば、「利上げ必要となる可能性はある。しかし現時点でそれは私の見通しでも予想でもない」とした。