「何かが壊れる可能性高い」、力強い米雇用統計受け-エラリアン氏
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注目のコメント
この方は学者出身で非常に高い見識を持つ専門家です。ご著書は高いご見識とご卓見に溢れています。ただ、ほぼ常に景気にも株価にも弱気で、ご意見番のような警鐘を鳴らす役回りです。米国では金融の専門家が驚くほど弱気に傾いているのは事実です。その根本原因は国家債務の膨張で、この状況でインフレが収まらず金利が上がったら大変なことになる、にあります。ただ、それは目先半年の話ではなく数年から10年以上先のもっと長期です。本当にこれから金利が上がる方向にポジションを張る、株価下落にベットする、という意味ではないと理解した方が良いと思いますよ。
イールドスプレッド、sp500の益利回りと10年債の利回りがトントンの水準までになった今のタイミングで債券に資金シフトが起きていますが、株式市場は一旦の調整だと見ています。経済指標が強い=米国経済が強いことを示してることになりますし、これから、10月末にかけて米国決算が始まりますが、2Qよりも良い決算となることが予想されています。ただ、JPモルガンのCEOが言及している債券利回り7%になるようなら、エラリアン氏が言う「何かが壊れる可能性」があると思います。結局、①今の高金利がどこまで続くのか、②利上げ停止したあとどれくらい高い金利の時期が続くのか、③利下げの時期はいつか この3点の議論です。
「債券王」として名高いエラリアン氏ならば「何かが壊れる」という抽象的なコメントだけでお客を呼べ、少しはオゼゼも稼げるのだなと羨ましくなりますね。
昔から米国の債券市場参加者は、危機対応の利下げを強く願望する「他人の不幸は蜜の味」指向が強いです。ここ1年余り「ハードランディングよ来てくれ来てくれ」と囃していたのに見事に外れ、5%台の長期金利が迫りました。この1週間、絶望感にひたる債券市場関係者のコメントが何と多かったことか。
エラリアン教祖は、こうした衆生に向け「大丈夫、夜明けは近い。私の口先介入で逆風を止めてみせよう」とリップサービスを送ったのでありましょう。