為替介入「コメント差し控える」と財務官、年初来の円安に警戒感
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介入が実際にあったかどうかは、2日後の日銀当座預金から政府に資金を吸い上げる動きがあるかどうかでほぼ推測することができます。また月末には、財務省が外国為替平衡操作の実績値を公表し、日別の売買額やペア通貨もわかります。とても透明性の高い仕組みです。
米国下院議長の解任もあり、とてもボラティリティの高い状況が続きますので、為替介入を正当化しやすい状態もしばらく続くでしょう。為替介入に限らず相場を動かす政策の方向性がはっきりしていれば、投機筋は確実に稼げます。政府が財政赤字を積み上げ日銀が円を無制限に市場に供給して円の価値を積極的に落とす中、為替介入で円高にしても再び円安に戻ることは必定ですから、為替介入の要件がはっきりすれば、投機筋にとってこれほど楽なことはありません。財務官がコメントを控えるのはむべなるかな。
昨年9月22日の最初のドル売り円買い介入時、ドル円は145円から140円36銭まで円高に振れ、揺り戻しが起きて前日比1円63銭の円高で取引を終えました。10月21日の介入は151円94銭が146円21銭になったのち、前日比2円49銭の円高で一日を終えています。この時の介入は大規模でその後更に円高になってそれなりの期間介入効果を維持しましたが、12月の介入を経て再び円安圧力が強まって、昨年10月の円安のピークを再び伺う情勢になったわけですね。
日米の金利差といった投機的、かつ短期的な要因の影響はありますが、円安の背景に政府と日銀が組んで行う円の実質的な毀損策がある以上、介入しても効果は限られるでしょう、たぶん。仮に今回の激しい動きの裏に介入があったなら、介入効果は去年のものより限定的。外貨準備の制約を受けるドル売り円買い介入の効果の限界を見透かされたらそれこそ投機筋の格好の餌食です。
円安がインフレを起こして実質賃金を下げコツコツ貯めた預金の価値を落として国民を中長期的に貧しくするのは必定です。急激な変動に介入で対処することはあるにせよ、本質的な要因で進む円安に介入で対処することはできません。難儀なことではありますね・・・ (・・;