日銀短観 大企業製造業の景気判断 2期連続で改善
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大企業製造業が改善した背景には、供給網の改善等に加えてここ元の円安が寄与したと考えられます。
実際、企業の想定レート調査を見ても、前回調査の1ドル132円台から135円台に円安修正されています。
一方、大企業非製造業で改善した背景には、インバウンドの回復やコロナ指定感染症見直し後初の夏到来によるレジャー需要等が増加したことが予想されます。
先行きについては、海外経済の減速が見込まれること等から大企業非製造業で低下が見込まれていますが、大企業製造業では小幅上昇が見込まれていますので、国内大企業の景況感は値上げで苦しい家計とは裏腹に、引き続き底堅く推移することが予想されます。日銀短観の大企業製造業、大企業非製造業が好調、想定為替レートは132円であることから、今の水準よりも随分と円高想定、今後、為替分の上振れの可能性がありそうです。また、設備投資計画は全規模全産業で前年度比13%増とコロナ後の反動が続いています。特に、脱炭素・DXの設備投資が大きな要素となっています。設備投資計画が旺盛である点は、今後の経済に期待できるポイントです。
部品等の制約で供給が遅れた自動車に加え生産用機械や電気・情報通信機器等の生産の回復が見込め、円安の恩恵で利益も膨らむ大企業製造業の景況感が良いのは喜ばしいことですが、円安やら最低賃金の引上げやらが原因で膨らむコストを価格に転嫁できない中小企業製造業の景況感が足元でも先行きでも悪化しているのが気掛かりです。非製造業は中堅中小とも改善著しくて心強いですが、日本経済の土台を支える中小企業製造業が元気にならないと、日本経済の力強い回復は望めません。大企業の回復の恩恵が中堅中小にも行き渡ると良いのですけれど・・・ (・・;