[フランクフルト 25日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は25日、記録的な高水準にある政策金利を十分に長い期間維持することが、インフレ率の2%目標回帰に寄与すると述べた。追加利上げを約束も排除もしないECBのガイダンスを踏襲した。欧州議会での発言。

同総裁は「われわれは、政策金利が十分長い期間維持されることで、インフレ率の目標へのタイムリーな回帰に大きく寄与する水準に達したと考えている」と述べた。

さらに、労働市場の小幅な軟化も指摘。労働市場はようやく調整しつつあるが、もう少し時間がかかるとの見通しを示した上で、「サービス部門の雇用創出は緩やかになっており、全体的な勢いは減速している」としたほか、「最近の指標は、第3・四半期に一段と弱含む動きを示している」とした。

また同総裁は、ECBが現在進めている短期金利の運用枠組みの見直しについて、結論は今年末から来春にずれ込むとの見通しを示した。ECBは昨年12月、銀行部門に滞留する3兆7000億ユーロの過剰流動性を削減する目的などからこの見直しを開始したが、技術的な問題を巡る意見の相違からすでに遅れが指摘されていた。

同総裁は「スタッフは、バランスシートの長期的な最適規模や構成、過剰流動性の適切な水準について分析している。これは金融政策の実施方法にも影響するため、些細な問題ではない」と述べ、延期を示唆した。