2023/9/14

【危険】現代人を蝕む「スクリーン無呼吸症候群」とは何か

NewsPicksでは週7日毎日、世界のトレンドの背景を追うシリーズを開始しています。木曜日は「Next Big Thing(次のサイエンス)」です。
INDEX
  • メールチェックで呼吸が浅くなる
  • 「獲物を狙うネコ」と同じ反応
  • 呼吸を改善する3つの策

メールチェックで呼吸が浅くなる

2007年のこと、マイクロソフトの元幹部だったリンダ・ストーンは、毎朝呼吸のエクササイズをしているにもかかわらず、ノートPCの前に座ってメールをチェックするときに、その努力がむだになってしまうことに気づいた。
「さっきまでしっかり呼吸していたのに、また息を止めている感じでした
自分が息を「吸っている」のか「吐いている」のかわからないほど、呼吸が浅くなっていたと彼女は言う。
(kokouu/iStock/Getty Images)
ストーンは、友人や隣人、親戚などを自宅に招いて非公式の調査を行うことにした。
そして、彼らをダイニングルームのテーブルに案内し、電子メールをチェックしてもらっている間の心拍数と脈拍をモニタリングした(ストーンはこの調査を「ダイニングテーブルの科学」と呼んだ)。
その結果、200人にのぼる参加者のおよそ80%が、周期的に呼吸を止めるか、呼吸の仕方を変えていることがわかった。
ストーンはこの現象を「電子メール無呼吸症候群」と名づけ、2008年にその調査結果をまとめた『ハフィントン・ポスト』の記事は多くの人に読まれた。
ストーンはのちに対象をさらに広げ、「スクリーン無呼吸症候群」という名称に改めた。
メールチェックだけでなく、スマートフォンやパソコンなどの画面を見ながら行うあらゆるタスクで、多くの人が体験する呼吸の乱れに着目したのだ。
(PeopleImages/iStock/Getty Images)