[東京 24日 ロイター] - 投資家被害が相次いでいる「プロ向けファンド」への規制強化を盛り込んだ金融商品取引法の改正案が24日、閣議決定された。届出業者に販売にあたっての説明を義務づけ、問題業者には業務停止命令などを出せるようにすることなどが柱。被害が続いている現状を踏まえ、金融庁は法案成立後早い段階で施行する方針だ。

1名以上の適格機関投資家と49名以下のアマチュア投資家によって、簡単な届け出だけで組成、運用できる「プロ向けファンド」をめぐっては、販売にあたって顧客への説明義務を負わないなど、業者の行為に対する規制が緩かった。行政処分の対象にもならず、49名以内であれば投資に不慣れな顧客にも販売できることなどから、投資家が被害を受けるケースが増えていた。

金融庁は昨年作業部会を立ち上げ、投資家被害を防ぐとともにファンドを通じた円滑な資金供給を阻害しないようにするため、プロ向けファンドの規制のあり方について検討を進めてきた。

改正案では、届出者について届出の資格がない者を新たに規定するほか、提出書類の記載事項を増やし公表する。顧客への不適当な勧誘を禁止し、リスクなどの説明のために書面の交付を義務づけるなど登録業者と同等の行為規制を導入する。問題のある届出者には、業務改善命令や停止命令といった監督上の処分を出せるようにする。

麻生太郎財務・金融担当相は24日の閣議後会見で、「投資者被害を適切に防止する方策を早期から講じていくことが必要」と述べ、改正案の早期成立を求めた。

(和田崇彦)