[シンガポール 4日 ロイター] - ベテランのOPEC(石油輸出国機構)ウオッチャーでブラック・ゴールド・インベスターズの最高経営責任者(CEO)を務めるゲイリー・ロス氏は4日、原油価格が1バレル=90─100ドルになれば、サウジアラビアが減産幅を縮小する可能性があると述べた。

サウジは日量100万バレルの自主減産を10月も継続すると広く予想されている。

ロス氏はシンガポールで開かれたアジア太平洋石油会議(APPEC)で、サウジの減産縮小につながる要因について「在庫水準、供給、需要。おそらく重要なのは在庫水準だろう。サウジは在庫水準の減少を望んでいる」と指摘した。

北海ブレントは現在1バレル=88ドル超で取引されている。

同氏はまた、今年第4・四半期には中国の石油需要が「大幅に増加」すると予想。ジェット燃料とガソリンの旺盛な需要が背景という。

「2022年第4・四半期の中国の需要は非常に弱かった。21年第4・四半期から日量50万バレル減った。このため23年第4・四半期の需要は大幅に増加するだろう」と発言。

「中国の製油所の処理量は極めて高い水準を維持するとみられる。これに加え、過去数年は戦略石油備蓄の購入を積極的に進めており、それは今後も続くだろう」との見方を示した。