2023/9/5
報酬月280万。ヘッジファンドのインターン育成が本気すぎる
NewsPicksでは週7日毎日、世界のトレンドの背景を追うシリーズを開始しています。火曜日は「Behind the Scene(ニュースの裏側)」です。
INDEX
- 「シタデル」に集う精鋭たち
- 数学とコンピュータの天才を探せ
- 若手の将来性を徹底チェック
- 密度の濃すぎる研修プログラム
- 破格の待遇で人材を争奪
- 学生を射んとすればまず教授を射よ
「シタデル」に集う精鋭たち
南シナ海を見下ろすホテルの大広間で、テーラー(24)はノートパソコンでコードを書いている。大学は夏休みだ。同室には、パーカーとスニーカー姿の大学生13人がいる。
広間の外に配備された2人の警備員からもわかるように、これは単なるサマーキャンプではない。
学生たちは、はるばる米カリフォルニア州やシンガポールからビジネスクラスの飛行機でやってきて、5つ星ホテルの「香港フラトン海洋公園ホテル」に数日間滞在する。
室内に並ぶのは、カニサラダやクロックムッシュ、生ハムとメロンの串盛りなどだ。
これほど手厚い扱いを受けている彼らは、ヘッジファンド運営会社シタデルとマーケットメイク(値付け)会社シタデル・セキュリティーズの幹部によって、6万9000人の候補者から厳選されたインターンだ。
億万長者ケン・グリフィン(54)が立ち上げた両社は、数学とコンピューターの天才たちの力で市場に不可欠な存在にまで成長した。
そんな両社は、いま次世代の天才を育て上げようとしている。