需要不足が15期ぶり解消 4〜6月推計、デフレ脱却へ半歩
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内閣府のGDPギャップをエクセル等でレプリケートするとよく分かるのですが、内閣府の潜在GDPの水準って、本当の意味での供給力の天井というよりも、これまでのトレンド等を元に推計されていますので、本当の意味で需要不足が解消されたかは疑わしいです。
内閣府が定めるデフレ脱却の4条件は、①実際のインフレ率が2%以上、②GDPデフレーターがプラス、➂GDPギャプがプラス、④十分な賃上げ(単位労働コストがプラス)です。まだ持続性の問題があるとはいえ、これで①から➂は満たしました。あとは④で来年の春闘が大事になります。また、このGDPギャップは政府が景気対策を実施する場合、総予算規模の根拠となってきました。もう巨額の景気対策は不要の根拠になる可能性があると思います。
「需要不足の解消で4指標は全てプラスとなり、デフレ脱却に半歩近づいた」 (@@。
企業が調達するモノの値段(≒国内企業物価)が前年比3.6%上がり、同じくサービス価格が2.1%上がり、消費者物価が実態的に4.3%上がる状況が続いているのです。これがデフレである筈がありません。常識的にみて耐え難いインフレが起きているというのが国民の実感でしょう。
需要不足の計測方法はいろいろあって、政府と日銀の間でさえ計算結果が異なります。潜在的な生産力が如何に多くあろうとも、我が国が持つ生産手段が魅力を失って使われなければ、需要不足(≒余った生産力)は埋まりません。潜在成長率(≒潜在的な生産手段の成長力)がゼロパーセント前半に留まる我が国でそれが本当に埋まって過度な需要超過になったなら、耐え難いインフレが持続しそうな気がします。
「4〜6月期は、原油やコロナワクチンなどの輸入落ち込みが高成長の統計につながった面がある」というのは確かですが、季節調整が難しい昨今の情勢下、季節調整済み前期比がどの程度意味を持つものか。足元の日本経済の前年比は、ペントアップ需要等があって潜在成長率を大きく超えるペースで伸びているのです。「国内需給が左右するサービス物価は上昇しつつあるものの、まだ前年同月比で0%近辺の品目が多い。賃金が伸びず消費が冷えれば、再び下落圧力がかかりかねない」とのことですが、日本経済が潜在成長率を超える成長率を保つなか、円安とインフレを加速させる手段をこれ以上取り続けることがないようにして欲しい。
いま真に必要なのはデフレ脱却のための大盤振る舞いでなく、潜在成長率そのものを高めて”自然なインフレ率“を2%内外に引き上げるための施策です。 (・・;ウーン