[ニューヨーク 29日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが下落。29日に発表された米雇用動態調査(JOLTS)で求人件数が約2年半ぶりの水準に減少したことに反応した。円は対ドルで一時10カ月ぶり安値に沈んだものの、その後切り返した。

7月の米JOLTSは、求人件数が33万8000件減の882万7000件と、2021年3月以来ぶりの低水準となった。減少は3カ月連続。

アクション・エコノミクスのアナリストは「9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げは実施されないという確信が強まった。実際、利上げ終了の可能性もある」と述べた。

CMEのフェドウオッチによると、市場は米連邦準備理事会(FRB)が9月会合で87%の確率で金利を据え置くという見方を織り込んでいる。

11月の利上げ確率は47%と、28日の62%からは低下したものの、1週間前の46%から小幅上昇した。

CIBCキャピタル・マーケッツの北米FX戦略責任者ビパン・ライ氏は、2024年の米利下げ観測を見直す動きが出ているとし、「少なくとも短期的にドルにはなお幾分の上昇余地が存在する」という見方を示した。

終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.49%安の103.51。

市場では31日発表の米個人消費支出(PCE)価格指数、1日の8月米雇用統計に注目が集まる。

ドル/円は一時147.375円と、昨年11月7日以来の高値を付けた。その後は0.47%安の145.84円。

トレーダーは日本当局が為替市場に介入する兆しを注視しているが、サクソのマーケットストラテジスト、チャルー・チャナナ氏は、植田和男日銀総裁がジャクソンホール会議で為替に絡む発言をせず、口先介入の兆候もないことから、150円以下の水準での介入のリスクは後退していると指摘した。

ユーロ/ドルは0.49%高の1.0871ドル。 欧州中央銀行(ECB)が9月理事会で利上げを実施するかどうかの鍵を握る可能性があるとして、市場参加者は31日発表のユーロ圏消費者物価指数(CPI)を注視している。

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