中国主導のアジア開銀に韓国ら続々参加か“短絡的”不参加の日本を中韓メディアが批判
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アジア開発銀行(ADB)の出資比率は日本と米国がそれぞれ15.6%で、中国の出資比率5.5%を大幅に上回っている。ADBだけでなく、世界銀行(WB)や国際通貨基金(IMF)の主導権が欧米諸国によって握られているという既存のフレームワークを打破し、中国自らがコントロールできる『世界銀行』を創出するべく準備されているアジアインフラ投資銀行(AIIB)だが課題も多い。
先ず資金調達。WBやADBは、各国からの出資金を元手にマーケットで債券を発行して融資のための資金を調達しており、格付けも高いために、WBやADBから融資を受ける方が、マーケットで直接債券を発行するよりも低い金利で借り入れをすることができる。しかし、中国の出資比率が50%にも及ぶAIIBでは、中国の格付けを上回ることはないだろう。調達レートがマーケットと変わらず、中国から間接的な支配を受けるようであるならば、借入国がADBではなくて敢えてAIIBから融資を受けるメリットは見いだせない。
次に出資比率と投票権の問題。中国は出資比率に応じて投票権に格差を付ける方針を伝えている。ADB参加国の多くはそのままAIIBにも参加するものの、日本・インドといったアジア主要国が参加しない他、欧米各国の参加も足並みがそろっていない。韓国は出資比率に応じた投票権について否定しているようだが、多かれ少なかれ中国の色が濃い銀行になるものと思われる。
「中国主導の世界銀行」という点にスポットが当てられがちなAIIBだが、「銀行」と名はついているものの、出資金を元手とした信用創造の機能はさして期待できず、中国の(潤沢な)出資金を左から右に貸し付けるファンドのようなものにならざるを得ないのではないか。