米インスタカートがＩＰＯ申請、英アームに続き注目企業が上場へ

（ブルームバーグ）：食料品配達プラットフォームの米インスタカートはナスダックへの新規株式公開（ＩＰＯ）を申請した。ソフトバンクグループ傘下の半導体設計会社、英アーム・ホールディングスに続く注目企業の上場で、ＩＰＯ市場の活性化を後押ししそうだ。

ソフトバンクＧ傘下アームがＩＰＯを米当局申請－米で今年最大へ (4)

25日に開示した米証券取引委員会（ＳＥＣ）への提出書類によると、インスタカートの上期純利益は２億4200万ドル（約350億円）。ＩＰＯの一環として、米飲食料品メーカー、ペプシコが１億7500万ドル相当の優先転換株式を購入する。株式売却の規模や仮条件については後日明らかにする。

主幹事はゴールドマン・サックス・グループとＪＰモルガン・チェース。銘柄コードは「ＣＡＲＴ」。

インスタカートのほか、マーケティングとデータ自動化プロバイダーのクラビヨもこの日、ＩＰＯを申請。ブルームバーグ・ニュースはこれまで、サンダルで有名なドイツのビルケンシュトックもＩＰＯを検討していると報じている。

ビルケンシュトックのＩＰＯを検討、評価額8600億円超か－関係者

2012年創業のインスタカートは過去数年にわたり上場を検討してきた。データ提供会社ピッチブックによると、同社はスタートアップ企業として27億4000万ドルを調達。21年には評価額が390億ドルに上っていた。

しかし、新型コロナウイルス禍に伴う特需が後退すると、成長が鈍化。昨年には３度の内部評価引き下げを余儀なくされ、10月には約130億ドルまで切り下がっていた。

原題：Grocery Delivery Startup Instacart Files for IPO、Instacart Files for IPO Revealing Profit, PepsiCo Investment (1)（抜粋）

(詳細を加えて更新します)

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注目のコメント

小島舞子
株式会社クラフター代表取締役社長
・2023年08月26日
2022年は上場マーケットも、未上場スタートアップにも資金調達という面で厳しい年でした。数多のユニコーンが、市況が改善するのをまだかまだかと待っています。
YC出身のユニコーンであるインスタカートが上場申請をしたことは、今待機している他のスタートアップにも大きな影響を及ぼすでしょう。

今はStripe, Canva, Datadogなどの超大型スタートアップが、水面下で上場準備に向けて動き始めるのではないでしょうか。
サービスもよく数字にも勢いがある彼らがIPOして、また市況が賑わうことを期待しています。
山田聡
株式会社10X 取締役CFO
・2023年08月27日
インスタカートの上場、S-1を読みましたがすでに4兆円を超えるGMVを記録しており、online groceryの市場シェアの30%近くを持っています。黒字化も実現できておりこの利益率の薄い難しい市場でこのパフォーマンスは素晴らしですね。ただ成長率が鈍化傾向、直近の成長もAdに依存するところも大きくなっており、今後どう成長戦略を描いていくかが上場株価の論点になりそうです。

大手小売プレーヤーがすでにEC化率5%に到達しているとのことで(5年前は0.6%)、感覚的には5年後の日本を見ている印象。
高岡美緒
DNXベンチャーズパートナー
・2023年08月26日
やっとアメリカのIPO市場が戻ってきた兆しが出てきましたね。懸念されてた景気後退リスクも「後退」し、このまま拡張局面に入るのか。armやインスタカートに注目してます。