2023/8/28

【キャリア】仕事ができる人に共通する「行動特性」と「話し方」

 VUCA時代とも言われる現代で、働き方やキャリアを取り巻く情勢は日々変化し、旧来のやり方が通用しなくなってきています。そのなかで多くの人が自らの「市場価値」を高めようと仕事のやり方を模索する一方で、少なからず仕事の課題や悩みが生まれています。

 今回は、NewsPicksトピックスにて、人事の視点からキャリア形成や人事制度の課題、ビジネススキルなどを発信している南 和気さんのトピックス「南 和気のキャリア・人事のホンネ」より、「今」ビジネスパーソンが読んでおきたい記事を3つピックアップしてご紹介します。
INDEX
  • キャリアで「運」を呼び込む人の共通点
  • リーダーが最初に学ぶべき「話し方のコツ」
  • 説得力が一瞬であがる伝え方

キャリアで「運」を呼び込む人の共通点

 私は人事として、多くの方からキャリアの相談を受けてきました。このとき、私がいつもお伝えしている「計画的偶発性理論」についてご紹介します。この理論は、「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」という研究結果をもとに、スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授らが提唱したキャリアに関する考え方です。
 この理論のポイントは、「偶然」が起きてから対処するのではなく、「偶然」を計画的・戦略的に起こそうという点にあります。私の人事としての経験上、これまでのキャリアで成功している人は、「自分が思っていなかったような偶然の幸運」を何度も重ねています。その幸運は決して「ただの運」ではなく、巡りあわせやタイミング、他の人による影響で成功に導かれているのです。これはキャリアで成功するうえで、非常に大切な「実力」であると思います。
 クランボルツ教授は、「計画的偶発性」を実現するには、①好奇心、②持続性、③楽観性、④柔軟性、⑤冒険心の5つの行動特性が重要だと論じています。とはいえ、「行動特性を持っている・持っていない」の判断は人それぞれです。これらすべてを完璧に習得するというよりも、5つのうち自分に欠けていると感じるものがあれば、普段から意識するのが良いと思います。
 一方で、私がたくさんの社員を見てきたなかで、実際にキャリアで成功する人は、①評判、②熱量、③チャームポイントの3つの要素を共通して持っていると思います。詳しくは以下の記事内で解説しています。実際にこれができる人には「運」が巡ってきますし、「運」は実力のうちなのです
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リーダーが最初に学ぶべき「話し方のコツ」

 これからリーダーになる、またはリーダーを目指す人が「今の時代にこれだけは必ず実践すべき対話のスキル」について、1on1ミーティングから解説します。昨今、リモートワークが普及して以降、部下の様子がわからない分、上司と部下で意識的に時間をとって話をすることが増えているかと思います。しかし、ただの「業務進捗確認ミーティング」になっていないでしょうか。
 1on1ミーティングを成功させる最初のコツは、毎回「何について話すのか」を事前に決めて、メンバーに周知しておくことです。話す内容が曖昧な状態で、あれこれ質問ばかりされても、聞かれた側は準備もできていませんし、逆に質問の意図がわからず、ホンネで話すことができないだけでなく、逆にストレスになってしまいます。
 ホンネで話しやすい上司は、「部下のことを理解してくれている上司」です。これは上司・部下の関係にとどまらず、人は「自分をわかってくれている」と思う相手に信頼を置きます。「あなたは、部下の良いところを1人につき20個ずつ書けますか?」私は1on1ミーティングのトレーニングを行うときに、リーダーたちに最初に聞く質問です。実際にやってもらうと、ほとんどの人が書けません。せいぜい5個といったところです。
 つまり、上司は部下のことをよく知らない状態なのです。この状態でいくら話をしても、どんなに質問をしても、ホンネの話は聞けません。まずは「部下のことをしっかり理解しよう」という気持ちでちょっとした会話の時間を持つことから始めてみることをお勧めします。少しずつ部下が話しやすいミーティングができるようになれば、1on1でも自然とホンネが聞けるようになると思います。
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説得力が一瞬であがる伝え方

 今回は、同志社大学経営大学院にて講義をした内容の一部をご紹介します。ビジネスにおいて「合意形成する」ために有効なテクニックです。ビジネス書などでは、議論では「結論から伝える」ことが有効であると書かれていることを見かけますが、あまり効率の良い方法ではありません。なぜなら「結論から伝える」のは、一番意見がまとまりにくい伝え方だからです。
 たとえば、昨今の在宅勤務に伴い、電子署名サービスの導入を提案しようとしているとして、結論から伝えるとどうなるでしょうか。決裁者は異なる意見をもっているかもしれませんし、そもそも必要性をまったく感じていない可能性もあります。その結果、合意形成に時間がかかるだけでなく、あなたの提案が却下されたり流されたりすることさえあります。
 では、「目的」から話すとどうでしょうか。「電子署名」を導入する目的は、「契約プロセスの効率化」ですので、「問題の解決」という目的を想起させるので、聞いている側も合意しやすくなります。ビジネスにおける議論の目的は、「合意形成する」ことで、議論を自分の意見を言う場と捉えているとスムーズに話が進みません。
 合意形成プロセスの基本は、まず相手と合意できるポイントを一つひとつ積み重ねていくことにあります。「結論」は一番意見が分かれるところで、「目的」は最初に全員が合意しやすい出発点となります。このように、効率的に仕事を進めるための思考方法や話し方のスキルを「戦略的思考力」と言います。このスキルは、正しく学べば誰でも身につけることができるものです。
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 南さんのトピックスでは、現代の変化のなかで生まれる仕事やキャリアの課題に向き合い、解決に向けた糸口やテクニックを発信しています。気になった方はこちらから他の記事も探してみていただけると幸いです。