非合理な「毎月分配型投信」の投資家たち
コメント
注目のコメント
行動経済学と毎月分配型投信については、前回コメントしてみました。興味のある方は参考までに(下記リンク①参照)。
何故こういった非合理的な判断をしてしまうのかについては、人間の本能が一因ではないかと考えます(以下は私個人の仮説なので、もし専門の方がいたら間違い等のご指摘を頂ければ幸いです)。
現代のように食糧の保存ができない太古の時代では、定期的に食糧を確保する事が生存する上での絶対条件でした。
当時は冷凍等の保存技術はない、もしくは知られていません。なので、一度にたくさんの食糧を入手したとしても、食べきれなかった分は腐ってしまい無駄に。たとえ食糧を入手したとしても、それが定期的でなければ人間は飢え死にしてしまうので、生き残るためには少しずつ定期的に食糧が手に入る方が望ましいと脳が学習した。
この時代の本能が、未だ脳に残留しているので「うれしいことは小分けにしてもらった方がうれしさの総和は一度に受けるよりも大きくなる」という認知が生じる(※うれしいこと≒食糧入手)。
以上はあくまで私見ですが、本能に抗うためには、知識を得て常に意識しておく事が大切だと思います。なお、行動経済学と投資行動については下記リンク②でも扱われています。
①「『分配型投資信託』との正しい付き合い方」
https://newspicks.com/news/869504/
②「『損したくない』が裏目に 投資家惑わす心のワナ」
http://www.nikkei.com/money/investment/startup.aspx?g=DGXNZO6491492006012014EL1P00&df=1
【追記】
前回のコメントはフライング気味でしたね。野尻さんには申し訳ないです。
ちなみに、今回のコメントは本能仮説(自論)について書きましたが、経済・会計学等の知識がある方なら「割引現在価値」の観点から分配型を選択されるケースもあるかと思います。
【再追記】
Sato shoheiさん
ご指摘ありがとうございます。仰る通り、狭義の割引現在価値は将来価値を割引率(利率)を用いて現在価値に換算して求める値です。
私は広義の意味で、将来受取れるはずの物を今受取ると割引されるという程度の意味で使いました。「分配金の年間総額が減っても毎月分配金のある投資信託を嗜好」する理由のいち解釈です。同じにような「非合理な考え」に、”リスクとリターンは同じくらい”という思い込みがある。この思い込みは自称「金融リテラシーが高い人」にあるからタチが悪い。
「価格が+30%になる可能性があるなら、逆に同じだけ▲30%になる可能性がある」という思い込み。
このような誤解が蔓延したのは、金融機関が損をした顧客をなだめるためにこういうセールストークを生み出したからではないかと推測している。
実際の金融商品は、ミドルリスク・ハイリターンとか、ハイリスク・ローリターンがあり、必ずしもリスクとリターンは等分ではない。
ローリスク・ハイリターンなアセット・クラスに投資した方が合理的だ。"退職した人たちがこの毎月の分配金を生活の一部にしているのであれば、意味のあることでしょう"
ここが毎月分配型投信を投資効率をある程度犠牲にしても購入することを検討しても良いと考えられるラインでしょう。
投資目的によりますが、とくに若年層がライフイベントごとに資産形成する場合には毎月分配型は全く適していないので注意が必要です。
お金全般のリテラシーを高める必要性が国民全体にありますね。