投信手数料、一段と低下 新NISA控え競争激化
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販売手数料のみならず、投資信託の信託報酬の水準も低下傾向にあり、資産形成・運用をする生活者にとっては良い流れである一方、金融機関にとっては資産運用事業は収益性を見込めないものになりつつあります。
生活者の将来の資金需要にいかに備えるかという資産運用計画の策定や実行に関するアドバイスを提供することにより、ポートフォリオ運用に留まらない付加価値を創出し、そこでお客様にとっての付加価値提供と収益性を両立するような新たな事業モデルの構築が金融機関には求められています。投資信託の販売手数料が一段と低下しているとのこと。平均で1.98%とのことですが、投資信託協会では、資産運用会社から提出されたデータを利用しているので、料率は目論見書に記載されている上限率と思われ、実際の販売手数料率はもっと低いと思われます。
ちなみに金融庁の公表データによると、時期は異なりますが、昨年の上半期の手数料率は大手証券会社で2.2%、主要行等1.0%、地域銀行1.6%で、ネット系証券に至っては0.1%でした。(いずれも金融庁が抽出した金融機関の平均値)
比較的複雑な投資信託を販売している大手証券会社はまだしも、銀行の販売手数料率は、新しいNISAが始まっても、より低下することはあっても上昇することはないと思われます。金融庁は、「国民の資産形成に資するビジネスモデルの構築が難しければ、リテールビジネスからの撤退も選択肢」といった厳しいメッセージを発信していますが、商品説明の対価といっても差別化は難しく、こうした商品に紐づいた収益に依存したビジネスモデルは限界を迎えており、資産運用アドバイスによる付加価値の提供を中心としたビジネスモデルへの変革は避けて通れない道なのではないかと思われます。