サウジアラビアが参加希望=日英伊共同開発の次期戦闘機―英FT紙
コメント
注目のコメント
戦闘機の共同開発は、将来にわたって信頼関係を築くことができる相手でないと難しい。サウジが参加すれば確実に買ってくれる大口顧客になるはずだが、ここでもめると買ってもらえなくなる。サウジの狙いは技術移転なんだろうけど、まずは売ることを考える英伊の方が乗り気。
このニュースを報じたFTの記事によれば、英国とイタリアはサウジの参入を支持しているものの、「日本は断固反対」の立場だということです。2018年にカショーギ殺害事件が勃発して以降、ドイツがサウジアラビアへの戦闘機輸出に反対していることから、サウジが購入予定のユーロファイターの導入の見通しが立っていません。そんなこともあってサウジは英伊日のGCAPに参加することに積極的とのこと。
日本の政府関係者は、新たなパートナーが加わることによる開発の遅れに対する懸念に加え、「サウジアラビアが加われば、東京がどの国に武器を売ることができるかという議論がさらに複雑になる」という理由を挙げているとのことです。イランにでも武器を売る計画をしていない限り、「どの国に武器を売ることができるか」をそれほど心配することではないと思われますが、いずれにしても日本が「断固反対」する理由が不明です。
今や米国がサウジとイスラエルの関係正常化を最優先に掲げて外交を進めていることから、「イスラエルの反対」を心配するのも時代遅れ。バイデン政権でさえサウジを怒らせないよう注意深くめちゃくちゃ慎重な対サウジ外交を行っているときに、エネルギー面でこれほど世話になっている日本がサウジを怒らせない方が宜しいかと思います。
中東ではパワーバランスが確実に変化しており、アラブの産油国は自分たちのパワーを行使して自国の利益を高めるために積極的な政策をとるようになっています。そうした新たな国際政治の潮流を、日本政府は掴みきれていないのでは、と心配です。え!サウジアラビアと戦闘機の共同開発だって?奇想天外。サウジアラビアが提供できるモノは何か?断られることがわかっていて打診したのだろう。あるいは、各国の本音をあぶり出すための動きかな。