(ブルームバーグ): 日立製作所の4-6月期は、事業再編に伴う子会社からの利益減少にもかかわらず、営業利益が前年同期並みとなる可能性がある。

ブルームバーグが事前に集計したアナリスト8人による営業利益の予想平均値は1254億円。中国のロックダウン(都市封鎖)や半導体不足の影響を受けた2022年4-6月期は前の期から6.8%減の1216億円だった。

日立はITや社会インフラ事業へのシフトを進める一方、相乗効果の見込めない事業の売却を進めてきた。前期には日立建機の株式の一部売却や日立金属の売却を完了し、今期は自動車部品子会社の日立Astemo(アステモ)が連結対象から外れる予定で、減収・減益を見込む。

日立は28日午後に決算発表し、同日開催される説明会に河村芳彦最高財務責任者(CFO)が登壇する。

<アナリストの見方>

ブルームバーグ・インテリジェンスの北浦岳志アナリスト

  • 第1四半期の調整後EBITA(利払い・税引き・一部償却前利益)は子会社利益の減少にもかかわらず、日立アステモの生産回復に助けられ増益、通期の同見通しは据え置きとなる可能性がある
  • 自動車部品、家電、ITを中心とした部門に対する半導体不足の影響は改善の兆しがみられ、収益の柱であるデジタルシステム・サービス部門は米子会社グローバルロジックの急成長が寄与

英調査会社ペラム・スミザーズ

  • 日立の4-6月期業績は例年最も低く、今回はいくつかの大きな事業が連結から外れるという事業再編による影響も邪魔をしている
  • 4-6月期営業利益のコンセンサス予想は十分達成可能な水準

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