(ブルームバーグ): 顧客とのやりとりに人工知能(AI)を使うウォール街の証券会社や資産運用会社に、規制当局のメスが入りそうだ。

米証券取引委員会(SEC)が26日に発表する計画は、金融機関によるAI導入で生じ得る利益相反の根絶を目指すもの。ゲンスラーSEC委員長はかねてこの問題を指摘してきた。また重大なサイバーセキュリティー事象の発生から4営業日以内の開示を企業に義務付ける最終規制についても、SECは導入の是非を検討する。

信用判断から金融の安定に至るあらゆる面でAIが影響力を持つことに、ワシントンの規制当局の間では懸念の声が上がっている。SECの発表文によれば、企業は予測データ分析やAIの利用が利益相反を引き起こすかどうかを評価し、それら相反を排除する義務を負うことになる。確実にルールを順守する方針を明文化し、対策を強化することも求められる。

金融会社は何年も前から不正の検知や市場監視にAIを活用してきた。最近では取引推奨や資産管理、融資に焦点が移っている。SECは企業が取引や金融商品を推奨する際に、顧客の利益よりも自社の利益を優先しないようにしたいと考えている。

原題:Wall Street’s Use of AI and Data Analytics Faces New SEC Rules(抜粋)

 

--取材協力:Rick Green.

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