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スペイン総選挙 国民党が第1党も下院過半数確保できない見通し

NHKニュース
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注目のコメント

  • 加藤 喜之
    立教大学 文学部教授

    Bloombergのレポートにも書きましたが、こちらにも同じコメントを残しておきますね。

    中道右派国民党と極右ボックス党の連立が懸念されていたスペイン総選挙でしたが、ぎりぎりのところで現政権が維持されるかもしれません。国民党のフェイホー党首の麻薬密売人マーシャル・ドラドとの過去の付き合いや女性蔑視の発言などが直前になって報道されたこともあり、右派は予想されていたよりも少ない議席に甘んじました。極右ボックス党も前回の選挙で獲得した52議席よりもはるかに少ない33議席。国民党と合わせても176議席の過半数にわずかにとどかない169議席ほどになることが予想されています。

    NewsPicksトピックスで連載中の「宗教とグローバル社会」の最新の記事にも書きましたが、すでに地方議会で成立している国民党とボックス党の連立が今回の選挙で成立していたら、LGBTQ+やフェミニズムやイスラム文化などを否定する反自由主義的(illiberal)な社会になることが懸念されていました。

    もちろん連立への議論はこれからですが、懸念されていたような右派連立政権の成立はさけられたかもしれません。フランコ体制の記憶が新しいスペイン社会において、極右への傾倒を避けたいという強い思いや国民党党首のスキャンダルなどが理由となり、今回の選挙結果になったのでしょう。

    最新記事にもかきましたが、イタリアやハンガリーやフィンランドやスウェーデンなどの例からもみえるように、極右政党の台頭がめざましいヨーロッパですが、スペインはなんとかその流れを止めることができたかもしれません。引き続き連立の構想から目が離せません。


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