ジブリ新作に『スラダン』新日曜劇場『VIVANT』まで大型作品の「ノー宣伝」戦法が抱えるメリットとデメリット
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注目のコメント
コアファンがいる前提でのノー宣伝は、「強いと思われてるボクサーのみ許されるノーガード戦法」のようなもので、他がマネしたら即死する
あくまで飛び道具であり、乱発するようなものではないジブリは「宮崎駿監督作品」というだけで宣伝費をかけなくとも成立する価値があり、スラムダンクも中身は分からなくても漫画が原作のバスケの映画であることが既に分かっている状態であることが、公開前に宣伝しなくても成立する要因だと思います。
それ以外はよほど原作や脚本、演者などに自信があったとしても、ノー宣伝はリスクも大きいですね。
一方で、事前に情報が隠されていればいるほど、インフルエンサーの発信価値も上がるので、コアファンや人より早くコンテンツを消費したい人だけでなく、SNSを通して情報を発信したい人を早期に囲い込める利点があることも事実です。何はともあれ映像作品は脚本である。脚本家や演出家、そして役者を揃えられれば勝てる要素はある程度揃う。数字を持っている役者はそんなに沢山いないのでスケジュールをおさえるのも大変だろう。お金もかかる。であるならば、宣伝費を削られるものなら削りたいだろう。
Vivantの場合はやはりフルロケをやり、それを番宣でチラ見せして期待値を上げたのは大きい。しかも、その期待値を一切、裏切らなかった。
つまり、大河ドラマのようにCGで誤魔化さなかった。本物の説得力があった。
灼熱の砂漠の稜線を歩き続けるボロボロのスーツ姿の堺雅人…草原の地平線に向かって馬でかけて行く堺雅人…大都市の渋滞の網目を縫うように馬を駆り駆け抜ける堺雅人…重装甲車でパトカーのバリケードを吹き飛ばしながら街を激走する顔の濃い日本人、流暢なモンゴル語で現地のテロリストと駆け引きするサラリーマン、と文章では書けるのだが、それを本気でロケ地を使って映像化するのは大変に骨が折れる。なんなら日本では映像化は無理だろう。
そして、たぶん、地上波だけでは赤字だろうからAmazonかNetflixでの独占配信が無いとしんどいのではないか。あと、どのみち、放送直前にバズるのが最重要ならば、それまでの番宣はあまり意味がないというのもその通りではなかろうか。