[東京 10日 ロイター] - 日産自動車<7201.T>は10日、星野朝子常務執行役員(54)を4月1日付で専務執行役員に昇格させる人事を発表した。同社は女性を積極的に管理職に登用することで先駆的な企業の1つとされるが、女性の専務は同社で初めて。星野氏は専務就任後、日本市場のマーケティング本部と営業本部を新たに担当する。

日産自は、さまざまな出身や経歴を持つ従業員の「ダイバーシティ(多様性)」を経営に生かす取り組みを推進。2015年度の経営陣は世界11カ国、51人で構成されるが、それでも女性は星野氏だけとなる。同社の管理職に占める女性の割合は約7%で、2017年3月末までに10%を目指している。

安倍政権は成長戦略の柱の1つとして、2020年までにあらゆる分野での指導的地位に占める女性の割合を30%程度とする目標を掲げている。日産自のカルロス・ゴーン社長は昨年7月、社会での女性地位向上に向けた日本政府の取り組みに理解と支持しながらも、政府目標の30%は「野心的だ」との見方を示している。

トヨタ自動車<7203.T>も4月からの新役員体制で、女性の常務役員が同社で初めて誕生することを4日に発表している。

(白木真紀)