[ロンドン 10日 ロイター] - スタンダード・チャータード(スタンチャート)は10日、ビットコインが年内に5万ドルまで上昇し、2024年末までに12万ドルに達する可能性があるとの見方を示した。

最近のビットコイン価格急上昇を受け、「採掘者」が供給量を絞る可能性があるとしている。

スタンチャートは「暗号資産(仮想通貨)の冬」は終わったとして、ビットコインが24年末に10万ドルへ上昇するとの予想を4月に公表していた。

同社の為替アナリスト、ジェフ・ケンドリック氏はリポートで、この予想は20%上振れる可能性があると指摘した。

「採掘されたビットコイン当たりの収益性が高まれば、採掘者は売却量を減らしてもキャッシュフローを維持できる。ビットコインの純供給量を減らし、価格を押し上げることになる」と説明した。

ビットコインは年初来80%値上がりし、3万0200ドルをやや上回る水準となっている。ただ、21年11月に付けた6万9000ドルの最高値と比べると半分にも満たない。

暗号資産市場は昨年、FTXなど交換業者の破綻や各国中央銀行の利上げを受けて大幅に下落したが、今年に入り複数の銀行が破綻したことなどを背景に回復している。

スタンチャートは自社予想の根拠について、採掘者がコンピューターの電力などのコストを賄うために売却する必要があるビットコインの数が近く減少するためだと説明。

ケンドリック氏によると、採掘者はこのところ新規のコインを全て売却しているとみられるが、ビットコイン価格が5万ドルに到達すれば2─3割程度に絞る見通しという。