2023/7/9

【週末論考】変わっているのは「我々」か「あの人たち」か

変わっているのは我々か、それともあの人たちか。
私たちは、自分たちと異なる文化に触れると、「変わっているなあ」「独特だなあ」といった感情を抱きがちだ。
特に、欧米などの西側で暮らす人たちは「自分たちの感覚」こそが世界のスタンダードだと認識する傾向にある。
ハーバード大学で人類進化生物学を教えるジョセフ・ヘンリック教授はそうした人々を「WEIRDな人たち」と呼ぶ。
WEIRDは直訳の「変わっている」の意ではなく、「西洋の(Western)教育程度が高く(Educated)産業社会に暮らす(Industrialized)裕福で(Rich)民主主義を支持する(Democratic)人々」を指す。
このWEIRDな人たちは、以下のような価値観を持ちやすい。
・人間はあらゆる場面で変わらない一貫した自己を持つ
・どんな行為についての判断も行為者の意図に基づいて下されるべき
・罪悪感は誰もが持つ感情だ
・幸せになるには自己肯定感が不可欠
しかし、こうした価値観は、長い歴史を振り返ると、人類全体の真理ではないという。
そんな人類の認知の進化について、米ニューヨーク・タイムズの名物ポッドキャスト「エズラ・クライン・ショー」がお届けする。
ホストのエズラ・クライン記者との対話を楽しんでほしい。
INDEX
  • ①私たちは、ちょっと特殊
  • ②「私は◯◯です」への回答
  • ③今日の他人も明日の友人?
  • ④「意図と結果」のどちらが重要?
  • ⑤人を公平にする「神」の力

①私たちは、ちょっと特殊