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Weekly Briefing(スポーツ編)

代表監督報道の裏側、Jリーグに外資参入、NHKがテニス放送を拡大

2015/3/8
Weekly Briefingでは毎日、ビジネス・経済、メディア・コンテンツ、ワークスタイル、デザイン、スポーツ、中国・アジアなど分野別に、注目ニュースをピックアップ。日曜日はスポーツに関するニュースを紹介します。

Pick 1:ハリルホジッチが日本代表監督に内定

ハリルJ誕生の裏側!決め手はオシム元代表監督のパイプ サンケイスポーツ(2015年3月6日)

3月5日、日本代表監督にボスニア・ヘルツェゴビナ出身のハリルホジッチが就任することが内定した。12日の理事会後、正式に発表される予定だ。

ここで注目したいのは、どのスポーツ新聞がこの人事を的中させたかだ。

各メディアが多くの監督の名前を挙げる中、最も早くハリルホジッチを候補として報道したのがサンケイスポーツだった。それが以下の記事である。

アギーレ氏後任にハリルホジッチ氏浮上!ブラジルW杯16強の名将(2015年2月10日)

今回、日本サッカー協会にハリルホジッチを売り込んだのは、オシム監督のマネジメントを行なう代理人だと言われている。その代理人と懇意にしているサンスポがいち早く情報を手に入れ、報道することができたのだろう。

結果的にその記事が観測気球となって、協会の背中を押した可能性もある。売り込み、情報リーク、スクープ…。代表監督報道には、いろんな意図が絡み合っている。

Pick 2:シティ・フットボール・グループの日本法人が発足

J初!外資が横浜M買収へ スポーツ報知(2015年3月4日)

マンチェスター・シティ、ニューヨーク・シティ、メルボルン・シティを傘下に置く「シティ・フットボール・グループ」(CFG)が、日本法人「シティ・フットボール・ジャパン」(CFJ)を立ち上げることを発表した。

CFGは横浜F・マリノスの株を19.95%取得しており、今後はCFJを介して横浜F・マリノスの経営・強化に参加していく。

外資も日本法人を設立すればJリーグクラブの買収が可能となるため、スポーツ報知は「外資が横浜M買収へ」という過激な見出しをつけたのだろう。

NewsPicksは日本法人立ち上げの真意を問うべく、この発表の2日後、CFJの利重孝夫代表にインタビューを行なった。

3月11日(水)、連載「ビジネスはJリーグを救えるか?」において、インタビューの第1回を掲載する予定だ。

Pick 3:田嶋幸三氏がFIFA理事選に再挑戦

田嶋氏ら7人立候補=FIFA理事選 時事ドットコム(2015年3月5日)

アジア・サッカー連盟は3月4日、同連盟選出のFIFA理事選の最終立候補者7人を発表。日本サッカー協会の田嶋幸三副会長、韓国サッカー協会のチョン・モンギュ会長(FIFA名誉副会長チョン・モンジュンの従弟)、クウェートのシェイク・アハマド氏らが立候補したことが明らかになった。3枠を争う理事選は、4月30日にバーレーンで行なわれる。

田嶋氏は2011年のFIFA理事選で落選していた。

裏舞台では“実弾”が飛び交うため、財閥や王族のサポートを受けられる候補に対して、公益財団法人の日本サッカー協会の候補は厳しい戦いを強いられる。

だが、理事がいるといないとでは、FIFAから得られる内部情報の量に大きな差が出る。田嶋氏の再チャレンジに期待が集まる。

Pick 4:ディズニーのリゾート施設がサッカークラブのスポンサーに

カカーとミッキーの夢のコラボも? MLSデビューを迎えるオーランドを「夢の国」がバックアップ Goal.com(2015年3月6日)

グローバルに個人向けのビジネスを行なう企業は、あまり特定のクラブのスポンサーになりたがらない傾向がある。他クラブのサポーターから、反感を買いかねないからだ。例えばコカ・コーラやマクドナルドがそうである。

そういう常識からすると、『ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート』がメジャーリーグサッカーのオーランド・シティのスポンサーになったことは大きな驚きだ。

オーランド・シティは今年からメジャーリーグサッカーに参入する新興クラブである(看板選手は元ブラジル代表のカカー)。クラブにとって、地元フロリダ州オーランドにある『ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート』は、知名度アップおよび集客の強力なパートナーになるだろう。『ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート』内にあるスポーツ施設でサッカーイベントを開催することも計画している。

Walt Disney World Resort Becomes Founding Sponsor オーランド・シティのクラブ公式HP(2015年3月4日)

この取り組みが新たな成功例となって、東京ディズニーランドがジェフ千葉のスポンサーになれば面白いのだが――。

今週の主なスポーツ

【サッカー】3月8日:J2開幕
 【相撲】3月8日:大相撲春場所初日(大阪)
 【女子サッカー】3月9日:日本対フランス(ポルトガル)
 【野球】3月10日:侍ジャパン対欧州選抜第1戦(東京ドーム)
 【野球】3月11日:侍ジャパン対欧州選抜第2戦(東京ドーム)
 【テニス】3月12日:BNPパリバオープン開幕(アメリカ・カリフォルニア、3月22日まで)
 【カーリング】3月14日:カーリング世界女子選手権初日(北海道)
 【サッカー】3月14日:J1第2節

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【特別テニスコラム 文・上田裕】

◎NHK、「マスターズ1000」全9戦とファイナルの放送を発表

NHKは5日、男子プロテニス協会(ATP)が運営するATPワールドツアーの「マスターズ1000」と「ファイナル」の試合を放送し、一部は生中継すると発表した。男子テニス世界ランキング4位の錦織圭選手が出場する試合や決勝などを中心に、総合テレビとBS1で伝えることとなる。(参考:時事ドットコム

この「マスターズ1000」と「ファイナル」という大会は、グランドスラムに次ぐ規模の大会だ。報道を見て筆者が感じたことは、NHKがテニス(特に錦織圭の試合)をキラーコンテンツとして位置づけてきたということだ。

昨年、錦織圭が全米オープンの決勝に進出し、WOWOW(有料BS放送)に加入者が殺到したことでも話題となった。テニスの大会の頂点であるグランドスラム4大会(全豪、全仏、ウィンブルドン、全米)の放映権はすべてWOWOWが所有している。ウィンブルドンはNHKも毎年放送しており、今年から全豪もNHKが錦織圭の試合を中心に放送したが、生放送の時間やカバーする試合の多さなどはWOWOWが圧倒的に充実している。

つまり、日本のテニスファンの中では「テニスを見るならまずWOWOW」という図式が出来上がっているのだ(WOWOWは月額2300円)。

世界男子テニスツアーの仕組みを簡単に示した上の表をご参考いただきたいが、すべてのプロテニスプレーヤーは、ランキングトップを、そして最高峰の大会となるグランドスラムを目指し世界各国のツアー大会を転戦している。選手は試合に勝つことによりポイントを獲得でき、そのポイントを元にランキングが発表、更新される。

選手が獲得できるポイントは大会のグレードによって違うが、上位の大会になるにつれて獲得ポイントは高くなる。大会についている1000、500、250というのは、優勝して獲得出来るポイントのことだ(グランドスラムに優勝すると2000ポイント獲得できる)。

先述したように、「マスターズ1000」と「ファイナル」はグランドスラムに次ぐ規模の大会のため、日本では年4回のグランドスラムからさらに試合を見たいというテニスファンは、さらにGAORA(スポーツ専門の有料CS放送)に加入する必要があった(GAORAは月額1296円)。

NHKは錦織選手の試合を中心に、準決勝・決勝まで放送する予定と発表をしている。このため、筆者は今回のことは、錦織選手の魅力はもちろん、上位進出の常連であるジョコビッチ、フェデラー、ナダルといった多くのトップ選手の魅力がより多くの視聴者に伝わることになるのではないか、ひいては日本のテニス文化の拡大につながるのではないかと期待をしている。

なお、「マスターズ1000」と「ファイナル」のスケジュールは以下のようになっている。

・BNPパリバオープン(3月12~22日)
開催地:アメリカ・カリフォルニア

・マイアミ・オープン(3月25日~4月5日)
開催地:アメリカ・フロリダ

・モンテカルロ・ロレックス・マスターズ(4月12~19日)
開催地:モナコ・モンテカルロ

・ムチュア・マドリード・オープン(5月3~10日)
開催地:スペイン・マドリード

・BNLイタリア国際(5月10~17日)
開催地:イタリア・ローマ

・ロジャーズ・カップ(8月10~16日)
開催地:カナダ・モントリオールorトロント(隔年で開催)

・シンシナティ・マスターズ(8月16~23日)
開催地:アメリカ・オハイオ

・上海・ロレックス・マスターズ(10月11~18日)
開催地:中国・上海

・BNPパリバマスターズ(11月2~8日)
開催地:フランス・パリ

・バークレイズ・ATP ワールドツアーファイナル(11月15~22日)
開催地:イギリス・ロンドン
(この大会が年間上位8人の選手しか出場できない、「ファイナル」)