[メルボルン 20日 ロイター] - オーストラリア政府は20日、国内の希少金属(レアメタル)産業育成に向けて節目となる戦略を打ち出した。米国、英国、日本、韓国、インド、欧州連合(EU)の新たな市場との連携を図るため、投資や開発パートナーシップを誘致する新規の国際プログラムを立ち上げる。

国家再建ファンドの一部として、高付加価値の資源プロジェクトが再生可能・低排出技術のために10億―30億豪ドルの資金を利用できるようになる。また政府の開発政策に合致したプロジェクトの支援に5億豪ドル余りを支援する。

さらに、高度な技能を持つ移民の受け入れや重要鉱物資源の探査活動に投資することで、鉱業や自動車産業、製造業などの人材不足解消にも取り組む。

労働党政権は2030年までに、エネルギー移行に欠かせない重要金属の原料および加工品の主要な生産国になることを目指している。

オーストラリアはバッテリーの主要原料リチウムの供給が世界の半分近くを占め、コバルト、銅、グラファイトなどの重要鉱物でも主要な生産国となっている。