AMD、エヌビディアに対抗するAI向け半導体を年内本格生産へ
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AI向け半導体界隈が盛り上がっており、半導体技術者の端くれとしては様々な技術進化が加速するので嬉しい限りです。
AMDはかつて先端製品を米国のGlobalFoundriesという会社に委託していましたが、最近になって台湾のTSMCに委託先を切り替えました。
その結果世界最先端の技術を半導体に盛り込むことができるようになったのが躍進に寄与しています。
NVIDIA, AMD, Intelといったロジック半導体大手はみんなTSMC頼みになっている状況なので、差別化ポイントはやはり半導体設計力やソフトウェア開発力ということになるのでしょうね。
AI向け半導体界隈でIntelの名前が出てこないことを不思議に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実はIntelは最先端プロセスの量産移管でNVIDIAやAMDの後塵を排している状況です。
既にPC向けではTSMCのN5と呼ばれる回路線幅5nmクラスの技術が投入されていますが、Intelはこの技術の投入が遅れており、1世代前の7nmプロセスで頑張ってプロセッサを量産している状況です。
かつてはIntel insideで一世を風靡したIntelなのですが、たかが1世代の差が大きな差を生み、凋落を生みかねない点が半導体ビジネスの怖いところだな、と痛感します。Nvidiaに対抗するAMDのAI製品「MI300X」。Nvidia H100の120GBを超える、192GBメモリをサポートです。最近登場したオープンソースLLMのFalcon 30B を学習させるデモを披露したとのこと。
性能的には追い付いてきました。あとは開発環境がどれだけ開発者を惹きつけられるか。NvidiaのCUDAはすでに業界標準です。AMDは独自のROCmを提供するようですが、別の開発環境を覚えるのは大変です。でも費用対性能が高ければ、一定数が移るのは確かでしょう。
同時に発表された「EPYC 97X4」も気になります。NvidiaのGrass Hopper同様にCPUとGPUが一体です。しかも、ワンチップ化。数が大量にでる推論用のデータセンター向けチップとして期待が高そうです。強いプロダクトが生まれればそれを支える強い要素技術や要素製品も進化する。
先日とある経営者の方と話していて、今から投資するなら、、、①超弩級のLLMを開発していける会社、②①の会社のための要素技術、要素製品を開発していける会社、③社長1人でAIを駆使してビジネス展開できる会社(人を雇用しない会社)かな、と。
AMDや NVIDIAは②の会社。この後③が生まれてくるのが楽しみ。
ロナルド・コースの「企業の本質(取引費用を下げるためにリソースを自社内に囲う。それが企業だ)」の理論がAIの超進化によって変わっていくかもしれない。