[オタワ 7日 ロイター] - カナダ銀行(BOC、中央銀行)は7日、政策金利である翌日物金利の誘導目標を0.25%ポイント引き上げ、22年ぶりの高水準となる4.75%とした。利上げは3会合ぶり。

中銀は声明で、極めて堅調な個人消費に加え、サービス需要や住宅市場の回復、労働市場の逼迫は経済における需要過多が、想定以上に持続している状況を示唆していると指摘。「消費者物価指数(CPI)上昇率が目標の2%を大幅に上回って推移するという懸念が強まった」とし「金融政策は需要と供給の均衡を取り戻し、インフレを持続的に2%目標に回帰させるために十分に制約的ではない」という判断を示した。

利上げを受け、金融市場が織り込む7月追加利上げの確率は約60%となった。9月までの利上げの可能性も完全に織り込まれた。

先週実施されたロイター調査では、カナダ中銀が年内いっぱい政策金利を4.50%に据え置くという予想が大勢となっていた。

スコシアバンクのキャピタルマーケッツエコノミクスのバイスプレジデント、デレック・ホルト氏は「7月に0.25%ポイントの追加利上げを予想する」と述べた。

同じく7月に追加利上げを予想するTDセキュリティーズのカナダ担当チーフストラテジスト、アンドリュー・ケルビン氏は「カナダ経済は2023年を通じて顕著な底堅さを示してきた」と指摘。2%のインフレ目標を達成するために需要を押し下げるには、単に追加引き締めが必要になると語った。

中銀は今後も経済指標を評価し「インフレ目標の達成と一致するかどうか」確認するとしつつも、前回4月会合の声明で示したインフレ目標達成に向け「金利をさらに引き上げる用意がある」という文言を削除した。

また、インフレは今夏に3%に鈍化すると引き続き想定しているとしたが、4月時点の「その後はより緩やかに低下し2024年末までに目標の2%に達すると予想する」という見通しは改めて示さなかった。

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