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【第3回】SUUMO特別企画

中古リノベーションの賢い進め方

2015/3/1
中古住宅は新築より割安感があり、立地も選びやすいことが多いです。加えて最近は、いただいたコメントにもあったように自分の思いどおりに住空間をつくり変えるリノベーションが人気です。しかし何も考えずに進めると大きな落とし穴も。そこで今回は失敗しない中古リノベの進め方を紹介しましょう
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失敗 1:まだ工事が始まっていないのにローンは開始

物件を契約して、すぐに着工できたとしても、大がかりなリフォームはマンションで1カ月以上、一戸建ては2~3カ月以上かかります。住みながらでは難しいので、その間、賃貸に住んでいる人はそのまま家賃を払い続けることに。引き渡し完了後は住宅ローンの支払いもスタートしているので二重払い期間が続きます。

契約までにリフォーム会社が決まっていない場合は、契約後に会社選び、プラン・見積もり作成期間が必要。早くても数カ月はかかるでしょう。工事完成が遅れるほど二重払いの損も膨らんでしまいます。

失敗 2:予想以上の工事費用で予算オーバーに

また、リフォームにかかる工事費用がわからないままに物件を買うリスクも知っておきましょう。適当に予測したリフォーム金額で資金計画を立てて、物件を購入したものの、プランを相談しているうちに思っていたより工事費用が高くなる、ということも。これでは予算が足りない、予算内で収めるためにはやりたいプランをガマンしなきゃ、ということになりかねません。

失敗 3:間取り変更は制限により叶えられないことも

そもそも中古住宅は、物件の状態によってプランも影響を受けます。購入後に構造的な理由でキッチンやお風呂を移動できないことがわかったり、部屋を広げるのに撤去したくてもできない壁があったり、古い一戸建てなので耐震補強や断熱工事に多額の費用がかかることがわかったり。これではイメージしていた住空間ができない…ということになってしまい、残念ですよね。

こうしたリスクを軽減するにはどうすればいいのでしょうか?

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理由 1:物件購入後すぐに工事がスタートできる

リフォームを前提に中古住宅を買う場合、早くからリフォーム会社などプロにかかわってもらうと、いろいろなことがスムーズに運びます。事前に物件を見てもらい、プランを相談しておけば、物件契約後、速やかに工事をスタートできるので、住み始めるまでの期間を短縮でき、二重払いを少なくできます。

理由 2:全部の費用がわかってローンが組める

物件購入前にプランの相談ができるだけでなく、工事費用についても目安が聞けるでしょう。あらかじめリフォームの費用がわかっていれば、物件にかけられる費用もわかり、住宅ローンも物件購入費用とリフォーム費用、両方を考慮して予算内で組むことができます。

また、リフォーム費用も含めて住宅ローンを利用する場合、融資の審査時に金融機関から見積書の提出を求められます。それまでにプランと見積もり作成が終わっていなければなりません。ところが物件の購入申し込みをしてから融資の審査までは1週間程度しかなく、リフォーム会社が決まっていないと、実際の金額に近い見積もりを作成するのは難しいのです。

理由 3:内覧同行でプロの意見が聞ける

物件の内覧の際にプロに同行してもらえるのもメリット。建物の劣化状態や配管など構造的なことまでわかるので、LDKを広げることができキッチンの移動も可能、一部の壁は抜けない、耐震補強が必要、断熱工事で暖かい家になる、など素人目ではわからないことを教えてもらえ、物件購入の判断材料になります。

このような落とし穴にはまることがないように、リフォーム会社は物件よりも先に探し始めるのがよいでしょう。

まとめ

日本には820万戸の空き家があると言われています。その問題がクローズアップされ、ストック(既存住宅)の活用が重要視されています。
この連載第1回は「リフォームVS建て替え」で、それぞれのメリットを探りました。例えばリフォームは既存のものを活かせる範囲で割安になること、建て替えは白紙から設計できることなど、それぞれにメリットがあることをお伝えしました。

第2回は「リフォームのおトク制度8選」で、住宅ストックを活かすために国からの支援制度がいろいろあり、リフォームにも多くの知っておきたい制度があることをお伝えしました。

そして3回目の今回は「賢い中古リノベーションの進め方」で、リフォームを実行するために気をつけておきたいことをお伝えしました。新築、中古、賃貸など住まいにおける多用な選択肢をフラットに検討される方が増えています。制度を上手に活用し、自分に合った住まい選びをしていただけるよう、お役に立てれば幸いです。

注釈
「リノベーション」「リフォーム」という言葉は、業界団体や会社によって使われ方がさまざまです。この記事内では、「リノベーション」は性能、間取り変更を含む大規模な工事のこと、「リフォーム」は軽微な工事からリノベーションまですべてを含むと定義します。 

(文/SUUMOリフォーム編集部 インフォグラフィック/NewsPicks)

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