[北京 1日 ロイター] - 財新/S&Pグローバルが1日発表した5月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.9と、4月の49.5から上昇し、景況悪化と改善の分かれ目となる50を予想に反して上回った。生産と需要が改善した。

ロイターがまとめた市場予想は49.5だった。

中国国家統計局が5月31日に発表した5月製造業PMIは48.8に低下したため、官民の指標で対照的な内容となった。

財新PMIは沿岸地域の比較的輸出志向で小規模な企業に焦点を当てているとされる。

サブ指数を見ると、生産拡大ペースが11カ月ぶりの速さとなったほか、輸出を含む新規受注は増加した。

半面、世界経済への懸念を背景に向こう1年の企業信頼感を測る指数は7カ月ぶりの低水準となった。

採用に慎重な企業の姿勢は変わらず、雇用指数は3カ月連続で50割れ。アナリストがデフレリスクの高まりに言及する中、投入と産出の価格指数も引き続き50を下回っている。

財新智庫のシニアエコノミスト、王哲氏は「現在の経済成長は国内の原動力が欠けており、市場参加者の信頼感も十分ではなく、需要拡大・回復の重要性を示している」と指摘した。

一部エコノミストはさらなる金融緩和を見込んでいる。

国泰君安国際のエコノミストは「改善が続くか見極める必要があるが、中国経済にとっては朗報だ。内需を喚起するため、依然として追加の政策支援が必要だ。6月に中期貸出制度(MLF)金利が10ベーシスポイント(bp)引き下げられると予想している」と述べた。

ANZはリポートで「中国人民銀行(中央銀行)は金融の安定を維持するため、預金準備率を25bp引き下げる可能性が高い。利下げを前倒しする可能性も高まっている」と述べた。

PMIが予想を上回ったことを受けて、中国・香港株式市場は約0.6%上昇している。