[ワシントン 28日 ロイター] - バイデン米大統領は28日、債務上限を凍結する案について共和党のマッカーシー下院議長と最終合意し、議会での採決に進める用意が整ったと明らかにした。

マッカーシー氏との電話協議後、記者団に「非常に重要な前進だ。壊滅的なデフォルト(債務不履行)の脅威を取り除き、われわれが苦労して実現した歴史的な景気回復を守るものだ」と述べた。

両氏は27日に基本合意に達していた。

財務省の資金繰りが行き詰まるまでに議会が法案を可決すれば、デフォルトが回避される。財務省は26日、債務上限が引き上げられなければ6月5日にもデフォルトに陥る可能性があるとの見方を示した。

バイデン氏は法案を可決するよう上下両院に強く求めた。その上で、マッカーシー氏が合意案の可決に十分な支持を得たと信じていると述べた。

マッカーシー氏も先に、共和党議員の大部分の支持を得られるとの見方を示した。

共和党の強硬派や民主党進歩派は合意の内容を批判しているが、バイデン氏とマッカーシー氏は両党の穏健派から十分な支持が集まるとみている。

両氏の合意は、債務上限を2025年1月まで凍結し、24、25年度予算の歳出を抑制する内容。未使用の新型コロナウイルス対策費を取り崩すほか、一部エネルギープロジェクトの認可手続きを迅速化し、低所得者向け食料支援に追加の就業条件を設ける。

法案は24年度予算について、一部の調整を除いたベースで国防費を8860億ドル余り、非国防費を7030億ドル余りとし、25年度に国防費の1%増加を認める。

共和党上院トップのマコネル院内総務は声明で「本日の合意はわが国の信用と信頼を守るための前進であり、財政立て直しに向けた必要な一歩だ」と評価した上で、遅延なく法案を可決するよう上院に求めた。

共和党保守強硬派の議員連合「フリーダム・コーカス(自由議連)」の下院議員らは、31日に見込まれる採決で法案否決を目指す考えを示しているが、マッカーシー氏は下院共和党の95%超が合意を歓迎していると強調。党内から議長退任を求められる可能性について、全く懸念していないと述べた。同氏は下院議長選の際、議長解任動議の提出に必要な議員数を1人に引き下げる譲歩案を受け入れた経緯がある。

一方、民主党下院トップのジェフリーズ院内総務はCBSのインタビューで、民主党が法案を支持するとの見方を示したが、賛成票がどの程度になるか予測することは控えた。

下院は共和党が222対213で、上院は民主党が51対49で、それぞれ多数派を握っている。