対外純資産418兆円、過去最大 円安で評価額増
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人々が日本で働いて日本で生み出したモノとサービスの価値が日本のGDP(年間661兆円)で、政府の取り分は国民から集める税収です。税収だけでは足りないので政府は国民から借金をして取り分以上に費消しています。政府に税金を納めた取り分は民間の取り分ですが、日本の民間、特に家計は節約志向が強く、モノやサービスを取り分ほど使わず節約し、余ったモノを銀行やら保険会社やらいろんなところに預けています。政府が遣いすぎる分より民間が節約する分が多いので日本全体で生み出した価値が広い意味で余り、余った分を外国に売るので日本全体の外国との取引、つまり経常収支が黒字になって、その結果、418兆円のお金を外国に貸しているわけですね。資金循環統計を見ると2022年末の政府のネットの借金は約700兆円弱で、金融機関を除く民間企業のネットの借金が約550兆円弱、家計のネットの貯蓄が約1650兆円ですから、差し引き418兆円は辻褄の合う数字です。
要は、家計がモノとサービスをせっせと節約し、政府と企業に貸して更に余る分を外国に418兆円も貸している勘定です。円安で過去最大になったからといって喜ぶほどのことではないですが、政府が大きな赤字を抱えながら我が国が安定していられるのは家計が節約して日本全体を黒字にして外国にお金を貸しているからで、そういう意味じゃ、日本の家計は“偉大”です。それが日本の成長の足を引っ張っている側面もあるので評価は微妙なところでありますが (^^;対外純資産は1年間で7兆円しか増加していません。ただ、世界的な利上げで債券の評価損が15%程度は出たものの、円安で補って若干のプラスとなりました。もし円安でなければ150兆円程度の損失が出ていたと推察されます。円安の効果はこれ程大きかったのです。