(文中の誤字を修正しました)

[東京 25日 ロイター] - 5月のロイター企業調査で対話型人工知能(AI)「チャットGPT」の活用状況を聞いたところ、業務に使っている、もしくは検討していると回答した企業は合わせて17%だった。自治体などで実験的に導入する動きが広がっているが、情報漏えいや信頼性などへの懸念も指摘される中、企業の多くはまだ議論の段階になく、社内ルールも未整備、新しい技術への対応が追い付いているとは言えない状況だ。

調査期間は5月10日から5月19日。発送社数は493、回答社数は241だった。

チャットGPTなど生成AIへの向き合い方には国レベルでも温度差があり、主要7カ国も19─21日の首脳会議(G7広島サミット)で討議。国際ルール作りを進めることで合意した。

企業調査では「活用している」が3%、「活用を検討している」が14%で計17%にとどまった。どのような分野で活用しているかを聞いたところ、文章の添削・校正や検索、会議録や議事録の作成、企画やアイデアの提案などが上位となった。

「活用していない」との回答は81%にのぼった。理由としては「社内ルール作りができていない」が72%と最も多くなった。「情報の信ぴょう性」が33%、「機密情報の漏洩」が24%と、現段階での信頼性に疑問符を付ける回答も多かった。

このほか「情報が少なく、活用の話にもなっていない」(繊維)、「業務使用の議論すら行われていない」(機械)と、まだ社内で議論の俎上にのぼっていない社も目立つ。「良く機能を把握していない」(運輸)、「現状として具体的に活用できる場面が不明」(卸売)という声もある。こうした理由もあり、現時点で明確に「禁止している」とした企業は2%にとどまった。

*文中の誤字を修正して再送します