[ワシントン 24日 ロイター] - 米共和党のロン・デサンティス・フロリダ州知事(44)は24日、2024年大統領選に向けた同党の候補指名獲得を目指すと表明した。ただ、参戦をアピールするはずだったイベントでは技術的なトラブルに見舞われた。

デサンティス氏はツイッター上でのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)との音声インタビューに先立ち、動画で出馬を表明した。

正式な選挙キャンペーン開始の場となるはずだったマスク氏との対談は時々音声が途切れ、一部ユーザーが参加できないなど不運な船出となった。

デサンティス氏はイベントで「近年の共和党にまん延している負け文化に終止符を打たなければならない」と訴えた。ツイッターでは「#DeSaster」というハッシュタグがトレンド入りした。

同氏は全国的な知名度を上げているほか資金力もあるとみられ、トランプ前大統領の最大の対抗馬となり、共和党の候補指名争いの勢力図を変える見込み。

イベントで「政府はエンターテインメントではなく、ブランドを構築することでもない」と述べ、トランプ氏を暗に批判した。ただ、イベント中にトランプ氏の名前は一度も出さなかった。

トランプ氏(76)は自ら創設したソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」でデサンティス氏の波乱の選挙戦スタートに触れ「私の非常ボタンは機能しているがあなたのは機能していない」と皮肉った。

マスク氏は、イベントが支持を表明するものではないが、ツイッターを街の広場のようにしたいという自身の思いを反映していると述べた。また、あまりにも規模が大きかったために「技術的問題」が発生したと認めた。

オンライン参加者は一時60万人を超えたが、終了時には30万人弱になっていた。

デサンティス陣営の報道官、ブライアン・グリフィン氏はデサンティス氏に向けられた熱量で「インターネットがパンクした」とツイッターに投稿。1時間で100万ドルの資金を集めたことも明らかにした。

ただ、世論調査では昨年11月に出馬表明したトランプ氏がデサンティス氏に対して2倍以上の差をつけてリードしている。

デサンティス氏はバイデン大統領に勝てる共和党候補は自分しかいないとアピールして選挙戦を戦うとみられる。

イベントではバイデン氏に「活力がなく、国の課題に悪戦苦闘し、意識高い系の暴徒の言いなりになっている」と批判。フロリダ州で性自認や制度的な人種差別といった概念を学校で教えることを禁止したのは、子どもを守り、進歩派思想を遠ざけるためだと主張した。

同氏はロシアのウクライナ侵攻を巡り、ウクライナへの支持表明に当初消極的だった。共和党主流派はこうした外交政策におけるつまづきから同氏が立ち直れるかどうかに注目している。