[22日 ロイター] - ブリンケン米国務長官は22日、パプアニューギニアのマラペ首相と会談し、防衛・海洋監視協定に署名した。

ブリンケン氏は会談で、米国はパプアニューギニアとの全面的なパートナーシップを深めていくと述べた。米国務省によると、経済開発、気候危機、米国が太平洋地域への関与を続けることの重要性について話し合った。

また、バイデン米大統領は「ここに来ることができなかったことを残念に思っている」とした。バイデン氏は、ワシントンでの債務上限交渉のため、パプアニューギニア訪問を中止した。

台湾を巡る緊張が高まる中、米国とその同盟国は、太平洋諸島の国々が中国と安全保障上の関係を結ぶことを抑止しようとしている。

インドのモディ首相もこの日、パプアニューギニアで島しょ国首脳とのサミットを開催し、支援を表明した。

ブリンケン氏は、防衛・海洋監視協定の調印式で「防衛協定は、対等かつ主権を有するパートナーとして、米国とパプアニューギニアによって策定された」と説明。

パプアニューギニアの防衛力を拡大し、人道支援や災害対応を向上させるほか、米とパプアニューギニア軍が共に訓練を行うことを容易にするとした。その上で「完全に透明なものだ」と述べた。

マラペ氏は、米国との既存の軍事関係を更新するもので「中国とは全く関係ない」と強調。「われわれは中国政府と健全な関係を持っており、同国は重要な貿易相手国だ」と述べた。

海洋監視協定では、米沿岸警備隊のパトロールを通じてパプアニューギニアの排他的経済水域の監視を強化し、違法漁業から経済を守る。

マラペ氏は、協定はパプアニューギニア防衛軍に「水域での状況把握能力が備わり」経済安全保障を高めると指摘した。

中国外務省の毛寧報道官は定例会見で、パプアニューギニアなどの太平洋島しょ国が通常の交流や平等かつ互恵的協力をすることに対し異議を唱えないとする一方で、「協力という名目での地政学的ゲーム」に警戒すべきと指摘した。

ブリンケン氏は太平洋島しょ国14カ国の首脳とも会談した。その中で、昨年に続き2回目となる米国と太平洋島しょ国の首脳会議を今秋にワシントンで開くため、バイデン大統領からの招待状を持参したと述べた。

米国は22日、パラオとの自由連合盟約(COFA)更新にも署名した。23日にはミクロネシアとの間でも署名する。米国はCOFAの下、相手国の防衛で責任を担う代わりに太平洋の広い地域へのアクセスを維持する。ブリンケン氏はマーシャル諸島とも間もなく交渉を開始できるとの見通しを示した。