2023/5/15

【解説】超ヒット「すずめの戸締まり」が示す、日本の潜在力

フリーランス ジャーナリスト
この記事は、日本にいると逆に見えてこない、日本のポップカルチャーの世界でのポテンシャルをお伝えする連載「Japan Rising」の最新回です。
INDEX
  • 世界に羽ばたくSuzume
  • 新海と宮崎、に共通するもの
  • ハリウッドにない「日本の強み」

世界に羽ばたくSuzume

現代のポップカルチャーにおける日本の最大の武器はクリエイティビティだ。
世界中の人々に愛されているキャラクターやシリーズたちの多くは、創造性に富んだ日本人によって生み出されてきた。
新海誠もその1人だ。
(写真:Victoria Sirakova/Getty Images)
現在50歳の彼はアニメーター、監督、そして脚本家としての顔をもち、近年は作家としての地位も確立している。
初期の長編アニメ作品である『風の向こう、約束の場所』や『星を追うこども』は、日常を生きる中での痛みや喜びと超常現象とを融合させる新海誠のスタイルを提示した。これらの作品によって彼は世界中から注目され、ファンを獲得した。
しかし、彼は2016年の『君の名は。』でそれを超えるブレイクを果たした。
彗星が地球に接近する中、身体が入れ替わってしまった男女の青春を描いた本作品は日本国内で大ヒットを記録し、アジアや欧米でも大きな利益を上げた。
また、世界中の批評家からも高い評価を受けている。