[ハノイ 10日 ロイター] - ベトナムの国営ベトナム電力公社(EVN)は10日、今夏は国内の電力システムが逼迫する恐れがあると警告した。一部水力発電所の水位が通常を下回っている中、熱波による電力消費の大幅増が予想されるためという。

7日には北部で気温が過去最高の44度超えを記録。今後3カ月間にピークとなり、電力消費が供給を上回るとEVNはみている。

さらに、今年1─4月の北部ダム取水量が近年の平均に比べ30─40%にとどまっているほか、エルニーニョ現象の再発が予想されるため、年内は低水準で推移するとした。

EVNは声明で「エアコンの温度を26度以上に設定し、大型家電の過度な使用を避けるように」と、企業や家庭に節電を呼びかけた。

政府によると、2020年末時点の発電能力は69.3ギガワットで、このうち水力発電所が3分の1を占めた。

ベトナムは30年までに発電能力を現在の2倍超に拡大するとともに、水力発電比率を石炭火力に次いで2番目にすることを目指している。