キヤノンが10年越しで開発、「究極」の半導体露光
東洋経済オンライン
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キヤノンがArf露光装置を開発する代わりにナノインプリント装置を開発することを選択してからはや十数年、2014年には米molecular imprints社のナノインプリント部門の買収も実行したものの中々成果が上がらなかったわけですが、先日ついにSK hynix(韓メモリ大手)がキヤノンの量産用ナノインプリント装置を発注する予定であると報道されました。開発パートナーであるKIOXIA(旧東芝メモリ、日NANDフラッシュ大手)&WD(米NANDフラッシュ大手)連合も導入を決定する可能性が高いことを考慮すると、世界のNANDフラッシュの4割位がこの技術で生産されることになりそうです。
本記事ではメモリ系の12-30nmでの普及を目指すとされていますが、キヤノンはすでにナノインプリントのロジック分野への応用を目指した研究を産総研と開始しています。また、先行研究によればナノインプリントは理論上、原子単位の加工さえ可能とされており、今後の進展次第ではEUV露光装置を市場から駆逐することも夢ではないと考えられます。
しかし十数年以上も利益に結び付かない開発をあきらめなかったキヤノンは凄いですね。利益が出るか不透明な研究開発は行わないといったスタンスの企業が多い中、キヤノンのブレない姿勢はこうした企業の在り方に一石を投じているように思えます。