[2日 ロイター] - <為替> ドルが下落した。3月の米求人件数が減少したことを受けた。

米労働省が2日発表した3月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が38万4000件減の959万件となり、2021年4月以来の低水準となった。減少は3カ月連続。市場予想は977万5000件だった。

また米商務省が2日発表した3月の製造業新規受注は前月比0.9%増加したが、ロイターがまとめた市場予想(1.1%増)を下回った。

ドル指数は0.22%安の101.93。序盤には一時102.40と4月11日以来の高値を付けた。ユーロ/ドルは0.23%高の1.1001ドル。序盤には1.0940ドルと4月21日以来の安値を付けた。

欧州中央銀行(ECB)の第1・四半期の銀行貸出調査(BLS)と3月の融資統計で、域内の銀行が与信を厳格化したことが分かったほか、ユーロ圏のコアインフレ率が予想外に鈍化したことを受け、ECBの利上げ幅が縮小するとの見方が広がり、ユーロ売りが強まった。

豪ドル/米ドルは0.51%高の0.6664米ドル。序盤には4月21日以来の高値となる0.6717米ドルまで上昇した。

オーストラリア準備銀行(中央銀行)は2日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを市場の据え置き予想に反して0.25%引き上げ、3.85%とした。インフレ率がなお高すぎるとし、妥当な期間内に目標に戻すために「幾らか」の追加引き締めが必要になる可能性もあるとの認識を示した。

ドル/円は0.56%安の136.67円。序盤には137.78円と3月8日以来の高値を付けた。

<債券> 国債利回りが低下した。株式市場で地方銀行株が売り込まれたことに加え、連邦債務上限を巡る懸念が高まっていることで、市場では連邦準備理事会(FRB)は予想よりも早く金融引き締め策を転換させるとの見方が出ている。

10年債利回りは13.3ベーシスポイント(bp)低下の3.440%と、4月26日以来の低水準を付けた。30年債利回りは8.5bpの3.731%、2年債利回りは15.8bp低下の3.981%。

2年債と10年債の利回り格差はマイナス54.4bp。

この日の株式市場では中堅銀行ファースト・リパブリック銀行の破綻の影響が波及するとの懸念から、パックウエスト・バンコープやウエスタン・アライアンス・バンコープなどの銀行株が急落。こうした中、FRBは予想よりも早い時期に利上げを停止し利下げに転じる可能性があるとの見方が台頭し、国債利回りが低下した。

イエレン財務長官は前日、連邦債務上限が引き上げられなければ、早ければ6月1日にも政府の債務支払いを履行できなくなる恐れがあるとの見通しを表明。

これを受け、この日の債券市場では長期債利回りが低下する中、財務省短期証券の利回りは上昇。6月に償還期限を迎える財務省短期証券の利回りは過去最高を更新した。

FRBはこの日から2日間の日程で開始した連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%ポイントの利上げを決定するとの見方が大勢だが、銀行株急落を受け金利は据え置かれる可能性があるとの見方も台頭。資産運用会社コロンビア・スレッドニードルのシニア・グローバル金利ストラテジスト、エド・アルフサイニー氏は「市場は若干疑心暗鬼になったように見える。午後になってFRBが明日、金利据え置きを発表するのではないかとの観測も出始めた」と述べた。

<株式> 主要株価3指数が軒並み1%超下落。金融システムに対する懸念が再燃する中、地銀が売りを浴びたほか、FOMCの結果を3日に控え、警戒感が強まった。

FRBは3日までに開く会合で0.25%ポイント利上げを実施すると幅広く予想されているものの、その後利上げを停止、もしくは追加利上げが依然必要というシグナルを発するか注目されている。

KBW地域銀行指数は5.5%下落し、1日としては3月13日以来の大幅安。2020年終盤以来の日中最安値も更新した。

米シリコンバレー銀行とシグネチャー銀行に続き中堅銀行ファースト・リパブリック銀行が破綻したことを受け、他の中堅金融機関にも波及する可能性があるという懸念が強まり、地銀株が続落。パックウエスト・バンコープは27.8%安、ウエスタン・アライアンス・バンコープは15.1%安、コメリカは12.4%安。

S&P金融も2.3%下落した。 

LPLファイナンシャルのチーフグローバルストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は「(破綻が)これで終わりではなく、金利が上昇し、さらなる問題を引き起こすきっかけになり得るという懸念がある」と指摘。さらに、地銀に関連する商業用不動産の問題がますます取り沙汰されていることにも言及した。

S&Pエネルギーも4.3%安。米債務不履行を巡る懸念が台頭する中、原油価格が下落したことに追随した。

米財務省は1日、連邦債務上限が引き上げられなければ、早ければ6月1日にも政府の債務支払いを履行できなくなる恐れがあるとの見通しを示した。

投資家の不安心理の度合いを示すボラティリティー・インデックス(VIX)は約1週間ぶりの水準に上昇した。

教育テクノロジー企業のチェグは48.4%急落。対話型人工知能(AI)「チャットGPT」との競争が激化する中、低調な業績見通しを示した。

スターバックスは引け後の時間外取引で2%安。第2・四半期(4月2日まで)決算が市場予想を上回った。通常取引は0.1%安で終了していた。

米取引所の合算出来高は123億3000万株。直近20営業日の平均は104億4000万株。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を3.55対1の比率で上回った。ナスダックも2.46対1で値下がり銘柄数が多かった。

<金先物> 米長期金利の低下やドル下落に伴う割安感を追い風に買いが入り、反発した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比31.10ドル(1.56%)高の1オンス=2023.30ドル。

<米原油先物> 景気先行き懸念が強まる中で売られ、続落した。米国産標準油種WTIの中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比4.00ドル(5.29%)安の1バレル=71.66ドルと、中心限月ベースで3月下旬以来約1カ月ぶりの安値。7月物は3.96ドル安の71.55ドル。

ドル/円 NY終値 136.53/136.58

始値 137.52

高値 137.57

安値 136.32

ユーロ/ドル NY終値 1.0999/1.1002

始値 1.0955

高値 1.1008

安値 1.0943

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 98*13.00 3.7137%

前営業日終値 96*19.00 3.8170%

10年債(指標銘柄) 17時05分 100*17.50 3.4333%

前営業日終値 99*12.50 3.5740%

5年債(指標銘柄) 17時05分 100*04.50 3.4690%

前営業日終値 99*12.75 3.6330%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*24.88 3.9923%

前営業日終値 99*16.00 4.1390%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 33684.53 -367.17 -1.08

前営業日終値 34051.70

ナスダック総合 12080.51 -132.09 -1.08

前営業日終値 12212.60

S&P総合500種 4119.58 -48.29 -1.16

前営業日終値 4167.87

COMEX金 6月限 2023.3 +31.1

前営業日終値 1992.2

COMEX銀 7月限 2561.9 +38.9

前営業日終値 2523.0

北海ブレント 7月限 75.32 ‐3.99

前営業日終値 79.31

米WTI先物 6月限 71.66 ‐4.00

前営業日終値 75.66

CRB商品指数 260.6375 ‐5.6841

前営業日終値 266.3216