(ブルームバーグ): 米モルガン・スタンレーはリセッション(景気後退)懸念でディールメーキングの回復が遅れる中、経費をあらためて重視し、新たな人員削減を準備している。

事情に詳しい複数の関係者によると、上級管理職は今四半期末までに世界の従業員から約3000人を削減する計画を議論している。これはウェルスマネジメント部門のファイナンシャル・アドバイザー(FA)とその補助職を除いたスタッフの約5%に相当するという。

関係者の1人によれば、今回の削減の多くは銀行業務とトレーディング部門が対象になる見通し。モルガン・スタンレーの従業員数は約8万2000人。広報担当者はコメントを控えた。

同行は昨年12月に従業員の約2%に相当する約1600人を削減していた。ウォール街の大手銀行は、企業買収や資金調達で企業を支援する際の手数料収入がここ1年に低迷したため、1-3月(第1四半期)決算発表では明るい話題を提供できなかった。米連邦準備制度の利上げを通じたインフレ抑制策とそれに伴う地銀の混乱が、さらに活動を鈍らせている。

ジェームズ・ゴーマン最高経営責任者(CEO)は先月、引き受けと合併の動きが低調で、今年後半か2024年までには回復しないとの見通しを示した。ラザードを率いるケン・ジェイコブズ氏も、業界の低迷が年内は続くと予想。ラザードは先週、従業員の10%を削減すると発表した。

モルガン・スタンレーの1-3月期決算はディールメーキングの減少が響き前年同期比で減益となった。企業の合併・買収(M&A)助言収入は32%減り、株式引き受け収入は22%減少した。

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原題:Morgan Stanley Plans 3,000 More Job Cuts Amid Dealmaking Slump(抜粋)

(モルガン・スタンレーのCEOの見解や業績などを追加して更新します)

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