失業率3月は2.8%に悪化、自発的な離職増 有効求人3カ月連続低下
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完全失業率の内訳を見ると、非労働力人口が前月から▲34万人減る中で、就業者が+17万人、失業者が+15万人ふえています。
つまり、労働参加率の上昇に伴う就業増局面での失業率上昇となりますので、この結果をもって必ずしも雇用環境が悪いとは言えないでしょう。
引き続き非自発的な離職も増えてますので、恐らく賃上げに後ろ向きな企業から転職のために自発的に失業している人が増えていることが推察されます。人手不足で賃上げに追い風という雰囲気が出てきた一方で、ゼロゼロ融資の元利金返済で倒産する中小零細企業はどんどん増えていくために労働市場にも不安要素は残ります。
3月に限れば就業者数が増え就業率も上がった上で失業率が上がった状況ですから、コロナ禍による社会経済活動の制約がいよいよ外れて賃金も上がり、仕事を捜す人が増えたと前向きに捉えることも出来そうです。実際、求職者数は増加傾向が続いています。新規求人数は幾分減っていますが求人数は全体として増えていますしね。
失業率2.8%は働きたい人が全て働ける完全雇用状態と見て良い水準ですし、有効求人倍率1.32も歴史的にみてかなり高い水準です。全体として人手不足感が強いことは間違いなく、それが日本経済の足を引っ張らないかということの方をむしろ心配すべき状況が続いているように思います。