[北京 27日 ロイター] - 中国国家統計局が27日発表した1─3月の工業部門企業利益は前年比21.4%減少した。ペースは和らいだものの依然2桁の減少率で、新型コロナウイルス規制解除後も景気回復の勢いが弱い状況が示された。

1─2月は22.9%減だった。

3月単月では19.2%減となった。世界経済の減速による需要低迷で工業部門を取り巻く環境が厳しい。

2022年の工業部門企業利益は4.0%減だった。

統計局は23年1─3月の減少ペースが1─2月から和らいだ一因として、機器製造企業の利益が顕著に改善したことを挙げた。

自動車製造業の利益は3月に9.1%増と、1─2月の41.7%減少の一部を回復。市場の需要が上向く中、生産と販売が加速した。

Zhixin Investment Research Instituteのシニアリサーチャー、Luo Huanjie氏は顧客向けリサーチノートで、工業部門企業利益は今年下期に増加に転じると予想。「生産や生活がさらに正常化し、企業が困難から抜け出し、政策が引き続き経済安定化に寄与する中、工業部門の事業は第2・四半期に安定し、好転する見込みだ」と述べた。

その上で、利益の伸びを加速させるには需要拡大や市場の信頼と期待回復に焦点を当てた政策が依然として必要になると指摘した。

1─3月の内訳では外資系企業は24.9%の減益、民営企業は23%の減益。41の主要産業部門のうち28部門で利益が減少し、石油・石炭・その他の燃料加工産業は97.1%と最も大きな落ち込みとなった。

工業部門企業利益の統計は、主要事業の年間売上高が2000万元(289万ドル)を超える大企業が対象。