「運用会社を抜本改革」岸田文雄首相が指示 資産所得倍増へ
日本経済新聞
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英国での投資信託等の販売は、販売機関が運用会社から手数料を取ることを禁止し、顧客からの助言料だけが収入源となっており、高手数料の商品が優先的に売られる利益相反が起きにくくなっています。
このため、日本でも利益相反のないアドバイスを得られる体制整備も必要との意見もあります。多くの日本の運用会社は大手金融機関の子会社で人事は親会社が握っています。こうした会社の人事考課は事なかれ主義や減点主義です。このような人事システムでは運用のプロが育ちません。育たないから、プロでなくても務まる流行商品しか売らない、海外のプロに運用を再委託する、こういう悪循環に陥るのです。プロは、どこの会社でどの商品の運用をどんな肩書で担当した、そして何より、成績の数字を持っています。これが転職に当たっても最重要なキャリアの証明です。こういうプロが育つ企業風土をつくらないといけないわけです。日系でも例外的な会社も出始めてはいます。
首相が運用会社の抜本改革を指示、という記事だけを見ると、唐突感もありますが、本件の出所である金融庁の資産運用プログレスレポート、そして金商法改正案、仕組み債等の販売規制、などは全て繋がっており、一つの方向性を示している、と解するべきだと思います。国民の資産形成を実現するためには、資産運用業者や有価証券販売業者など「業者」の質的向上が不可欠である、というメッセージだと思います。