[東京 26日 ロイター] - 住友生命保険は一般勘定資産の2023年度運用計画で、為替ヘッジ付き外債の残高を減らす一方、金利水準の高い米国債などをオープンで数千億円規模で積み増す方針を示した。国内債券は、25年の経済価値ベースの資本規制導入を前に超長期国債に投資するが、償還が多く残高は減少する見込み。金利上昇時には追加投資も検討する。

増田光男・運用企画部長が26日、運用方針説明会で明らかにした。

同社では、23年度の新規資金を例年並みの4000億円程度と見込む。

このうち国内債券は、規制導入を視野に国内金利リスクの削減を図るため、前年度に続き、超長期国債への投資や金利スワップの活用に取り組む。このうち超長期国債への投資は数千億円規模で行うが、償還がそれを上回るため残高としては減少するという。

住友生命では日銀の金融政策について、植田和男・新総裁が早ければ6月にもイールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)政策の修正か撤廃を行う可能性があると予想。ただし金融緩和自体は維持するとの見方から、マイナス金利の解除は見込まない。

超長期国債の買い方について、増田氏は「基本は平準的なペースで投資する予定だが、YCCの見直しなどで金利が上昇する局面では買いペースを速めるなど臨機応変に対応したい。30年金利が1%台後半に上昇すれば追加での資金配分を検討することになるだろう」と述べた。足元の30年金利は1.34%。

外国債券のうち為替リスクをヘッジしないオープン外債は、米国債を中心に金利が比較的高水準にあるとして、為替水準次第ではあるが数千億円規模で積み増す計画。また円高などのリスクに備えて、適宜ヘッジポジションの構築も検討する。

一方、ヘッジ付き外債は、スプレッドの乗った米国などのクレジットへの投資を実施するものの、外国国債の売却や償還により残高は減少を見込む。

国内株式は、調整局面を捉えて数千億円規模の投資を予定している。また株価下落リスクに備えたヘッジも検討する。外国株式は、個別銘柄への投資のほか、ファンド形態でオルタナティブ資産に投資するものも含めて、数千億円程度積み増す計画。

住友生命の一般勘定の資産残高は、12月末時点で33兆8519億円。うち外貨建て資産は10兆1504億円(30.0%)。

2023年度の相場見通し(レンジと年度末)は以下の通り。

日本国債10年物利回り  0.00―1.05% (年度末0.60%)

米国債10年物利回り   2.50―4.50% (同3.25%)

日経平均株価       2万4000―3万1000円 (同2万8500円)

NYダウ         2万6000─3万6500ドル (同3万3000ドル)

ドル/円         115―140円 (同125円)

ユーロ/円        120―155円 (同138円)

(植竹知子)