2023/4/24

【最先端】次の「電池」の時代がもう始まった

NewsPicksでは週7日毎日、世界のトレンドの背景を追うシリーズを開始しています。月曜日は「Must Read(今週のビッグテーマ)」です。
INDEX
  • 次のイノベーションを支配
  • リチウムからのシフト始まる
  • 日本で進歩、中国で商業化…
  • 米中ライバルはここでも

次のイノベーションを支配

中国南部の重要都市の一つである湖南省長沙市。この街で、多くの化学者やエンジニア、そして工場労働者が、世界の電池の未来をつくっている。
その技術革新には、名門・中南大学の卒業生が大勢関わっている。
かつて米スタンフォード大学の卒業生たちが、半導体ビジネスの担い手としてシリコンバレーをつくっていったのと似ている
(写真:Keith Bradsher/The New York Times)
長沙市の中央を流れる湘江の向こう岸には、広大な工場群が広がっていて、さまざまな鉱物や化合物を高度に加工して充電式電池の材料をつくっている。これらの電池はリチウムを主な材料としていて、スマートフォンなどの家電品が急速に普及する原動力となってきた。
また、自動車産業に大変革を起こし、今後は、気候変動との戦いに欠かせない太陽光パネルや風力タービンも大きく変える可能性がある。
中国は、充電池の材料となる物質の精製や製造で圧倒的シェアを握る。
そして今、中国は充電池におけるネクスト・ビッグ・イノベーションを支配する格好の位置につけている。
リチウムを、もっと安価で資源が潤沢に存在するナトリウムに置き換えるのだ。