日銀はマイナス金利維持すべき、YCCに微調整余地=IMF
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マイナス金利政策は、銀行が余ったお金を日本銀行に預けたら、金利を払うのではなく金利を取る(≒マイナス金利)ことで、銀行の手元のカネを低い金利でも世の中に貸し出させる政策です。日本の場合、マイナス金利といっても三段階になっていて、プラスの金利が付く部分とゼロ金利の部分と、これ以上預けたらマイナスにするぞという部分があるわけです。日銀は銀行の苦境を救う意味合いもあって、事ある毎に低金利の有利な資金を銀行に供給し、マイナス金利にならない預金の受け入れを拡大して来ましたから、マイナス金利政策の影響はその分だけ抑制されているはずで、政策金利である無担保コール翌日物は-0.01%程度の極めて小さなマイナスで動いています。
国会の所信聴取でマイナス金利政策が金融仲介機能に影響を与えた可能性を認めた植田総裁ですが、IMFに言われるまでもなく、今の経済情勢で政策金利をいきなり上げることは幾らなんでも無理でしょう。インフレ退治のための利上げに端を発して世界の信用収縮が懸念されるなかで、インフレ率が比較的低い我が国までが引き締めに動くことをIMFが望むはずがありません。植田新総裁はYCCの副作用にも言及されているので「量的緩和の継続は、たとえYCCを調整することになったとしても、日銀が持っている手段の一部だ」いう話になるのでしょうが、国債の54%を日銀が買い占めるに至った量的緩和自体が限界に達しているだろうことも否めません。
金融政策のプロ中のプロとされる植田新総裁がどんな判断を下すのか。いずれにしても難しい局面ですから、静かに見守るほか無さそうなさそうな気がします。(^^;政府と足並みを揃えなければ日銀がいくら頑張っても限界があるというのは黒田体制下で証明されているのだが、相変わらず政府側は社会保険料の引き上げ検討からの増税ムーブという一種の様式美を発揮してる現状なので、なかなか困ったものです。