[チューリヒ 11日 ロイター] - スイス金融大手UBSが買収したクレディ・スイスは、スイス国立銀行(中央銀行)から提供された緊急流動性の一部を既に返済したことが中銀のデータで分かった。流動性危機の緩和が示された。

中銀が11日発表したデータによると、サイト・デポジット(市中銀行が中銀に預ける要求払い預金)は先週、310億スイスフラン(343億ドル)減少した。

この減少幅は、中銀が昨年9月にマイナス金利を解除した後、市場の流動性を吸収し始めた時に次いで、過去2番目の大きさ。

クレディ・スイスの救済買収を受け、サイト・デポジットはここ数週間で急増していた。

J・サフラ・サラシンのエコノミスト、カルステン・ユニアス氏は、減少はクレディ・スイスが提供された緊急流動性の一部を返済し、中銀支援を受ける必要がなくなった可能性を指摘。

「UBSによる合併で銀行に対する信頼が回復した。このデータから顧客資金の流出が止まったように見える」とし、「中銀が大規模な流動性を供給することで取り付け騒ぎは阻止された。他の銀行からのクレジットラインも再び確立されたようだ」と述べた。

クレディ・スイス、中銀、UBSはコメントを差し控えた。