[メキシコ市 5日 ロイター] - メキシコのロペスオブラドール大統領は5日、1年半以内に国内電力市場の3分の2を政府が管理すべきだとし、電力業界への影響力を一段と強める姿勢を示した。

メキシコ政府は4日、スペイン電力大手イベルドローラの国内資産を約60億ドルで取得することで合意したと発表。ロペスオブラドール氏は電力市場の「新たな国有化」と評価し、国営電力会社CFEの電力市場シェアが55.5%に増えると述べた。

ロペスオブラドール氏は会見で、2024年9月末の任期までにCFEのシェアを最低でも65%、新たな発電所が稼働した場合には最大70%に引き上げる意向を表明。「われわれはメキシコのために戦い続ける」と強調した。

米国とカナダは、こうしたメキシコの保護主義的なエネルギー政策を問題視している。一方、ロペスオブラドール氏は、これまでの政権のエネルギー政策は民間利益を優先して公共部門の利益を犠牲にしてきたと主張している。