[フランクフルト 5日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)監督委員会のマコール委員は5日、欧州連合(EU)の暗号資産(仮想通貨)市場規制法案(MiCA)について、不十分な内容と指摘し、リスクを適切に把握するために規制内容の強化が必要との見解を示した。

欧州議会は、月内に同法案を採決にかける見通し。不祥事や経営破綻が続いた暗号資産業界の監督体制を整える大きな一歩となる。

マコール氏はブログで「新たなバーゼル基準やMiCAは重要な一里塚ではあるが、恐らくこれだけでは不十分」との見方を表明。

政策の目的と手段の均衡を定める「比例性原則」に基づき、重要性の高い暗号資産取扱業者に対しては要件の厳格化と監督強化の両方が必要だが、MiCAはどちらも実現していないと論じた。

また、暗号資産取扱業者の規模に基づき重要性を決める判断基準に問題があると指摘。最大の暗号資産取扱業者であるバイナンスは世界のアクティブユーザーが2800万─2900万人とされているが「EUで重要と分類される基準を恐らく満たさないだろう」とした。

取引プラットフォームの取引量あるいはカストディアン業務で管理している資産の量を考慮に入れるなど、新たな定量的判断基準が必要だとした。